こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。

インボイス制度が始まって、消費税の申告をする方が増えました。

国税局で勤務していたときも、昨年比の件数が跳ね上がっていて驚いた記憶があります。

ただ、初めて消費税の申告をするためか、間違いの多いこと多いこと…。

そこで、実際の現場で見た特に多かった間違いと、対応方法を紹介します。心当たりのある方は、参考にしていただければと思います。

インボイスは令和5年10月から。計算期間の誤りが多い

インボイス制度が始まったのは令和5年10月から。それまで免税事業者で、消費税の納税義務がなかった方も、インボイス登録した場合は10月分からは消費税を納める義務が発生します。

そう、10月分からです。それなのに、令和5年1月から12月まで、つまり1年分で計算している方がまぁ多かった。もったいないですね。

1月から9月は免税事業者のため、令和5年分に関しては、計算は10月、11月、12月の3ヶ月分の取引だけでOKです。

1年分で申告してしまった、という方は、税務署へ相談しましょう。更正の請求の手続きで、3ヶ月分に直すことができるはずです。

逆に、消費税の課税事業者で、インボイスに関係なく消費税の納税義務がある方。インボイス制度が始まったからといって、3ヶ月分だけの計算で申告している方もいました。

この場合は12ヶ月分で計算する必要があります。修正申告が必要になりますので、早急に提出しましょう。遅れれば遅れるほど、ペナルティ(加算税・延滞税)が重くなる可能性があります。

簡易課税の届出をしていないのに簡易課税を選択している

消費税には簡易課税制度という計算方法があり、計算が楽になるのですが、適用するには届出が必要です。

この届出がないのに簡易課税制度を適用して申告する方も多かったです。初めて消費税の申告をする方は、届出が必要なんてわからないですよね。

簡易課税制度を適用しない計算を本則課税(原則課税)と言ったりするのですが、簡易課税でできない場合は、本則課税で計算し直す必要があります。直した結果、修正申告や更正の請求の手続きが必要になる場合があります。

2割特例を使っていない

インボイス制度のスタートに伴って2割特例も始まりましたね。

預かった消費税の2割を納めればいいですよ、という制度。簡易課税と違って届出は不要、申告書の該当欄に〇をすればいいだけという、手続きも非常に簡単です。

負担を減らし、インボイス登録のハードルを下げます、というところですね。

この2割特例を使えるのに使ってない申告も多かった。もったいないです。

残念ながらこの制度、忘れてしまったらやり直しは原則としてできません(逆に適用しちゃって、あとから止めます、もできません)。

一度申告書を提出したあと、「2割特例忘れてました、適用したいです」は認められないのです。

しかし、国税局にいたとき、問い合わせに対し次のようなケースは更正の請求や修正申告で2割特例を使える可能性があることを案内していました。

あとから2割特例を適用できる場合もあり

  • 簡易課税ができないのに簡易課税を適用している場合(又は簡易課税をしなければならないのに本則課税で提出)で、本則課税(簡易課税)に直す場合
  • 2割特例を使おうとする意思がわかる場合

細かい理由の説明は省きますが、上記のような場合は一考の余地があります。

「2割特例を使おうとする意思がわかる場合」とは何とも難しいですが、特例を使用する、という欄に〇をしているのに特例で計算していなかった、といった場合です。

「簡易課税ができないのに簡易課税(2割特例適用なし)で申告していた」という方で、正しくは「本則課税で2割特例適用」という方は非常に多かった。損している可能性が高いですよ。

心当たりのある方は税務署へ相談しましょう。

まとめ

誤りに心当たりのある方は、税務署へ相談しましょう。

税理士を使うのは・・。かかる費用が戻ってくる金額以上だと思うのであまりオススメはできないです。

税務署へ行くのは予約が必要だし時間もかかります。自分でできるなら自分でやるのが一番ですね。

【編集後記】
米が売ってない。話には聞いてましたがこれほどとは…。
9月には落ち着くらしいですが、あと1週間以上ありますよ。どうしてこうなったんでしょう…。
親は控え、子ども優先で凌いでいます。