こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。

提出した確定申告書が間違っていた!

そんな時の手続きと注意点ついて解説します。

修正申告と更正の請求

最初に出した申告書の内容を直す手続きとしては、「修正申告書」又は「更正の請求書」を提出する、という手続きが必要になります。

修正申告書

納付する税額が増える場合還付される税額が減る場合は、「修正申告書」の提出が必要となります。

  • 売上の計上漏れがあった
  • 経費が過大に計上されていた
  • 所得があり扶養にできない家族を扶養していた など

修正申告書を提出する場合、加算税や延滞税などのペナルティが生じることがあります。

特に延滞税は日割りで加算されていくので、早めの対応をご検討ください。

更正の請求書

納付する税額が減る場合還付される税額が増える場合は、「更正の請求書」の提出が必要となります。

  • 売上が二重だった、経費が漏れていた
  • 医療費控除や寄附金控除の申告漏れがあった
  • 扶養の申告漏れがあった など

更正の請求は、税務署側で処理に時間を要するため、還付が遅くなることがあります。

更正の請求の注意点

更正理由の証拠書類が必要!

修正申告書と異なり、更正の請求書には証拠書類の添付が必須です。

国税通則法という法律で規定されています(国税通則法施行令第6条2項)。

国税通則法施行令第6条2項抜粋

更正の請求をしようとする者は、その更正の請求をする理由が課税標準たる所得が過大であることその他その理由の基礎となる事実が一定期間の取引に関するものであるときは、その取引の記録等に基づいてその理由の基礎となる事実を証明する書類を国税通則法第二十三条第三項の更正請求書に添付しなければならない。

例えば医療費控除は、確定申告書には領収書は付けなくていいことになっています(領収書の代わりに明細書を添付します)。しかしながら、更正の請求書には、領収書(加入している保険組合からの医療費通知でも可)を付けなくてはなりません。

控除の申告漏れはシンプルですが、経費の計上漏れなどは簡単ではありません。「最初の申告で入っていなかった」ことと、「経費であること」を示す必要があるためです。できる限り、最初の申告で漏らさないようにしましょう。

更正の請求でできないものもある

更正の請求は納税額が過大(又は還付額が過少)の場合、必ず適用できる、というわけではありません。

その原因が「法律の規定に従っていなかった」又は「計算に誤りがあった」場合のみ、請求が認められます。

言い換えると、「法律違反がない」「計算誤りもない」場合は、更正の請求はできません。

例えば、上場株式の配当等については、最初の申告のとき、「申告しない」、「申告分離課税」、「総合課税」のいずれかを選択できます。どれを選択しても法律違反ではありませんが、有利・不利は生じます。

この場合、あとから不利に気付いて更正の請求で直そうとしても、認められないことになります。

その他、「当初申告要件」と言い、最初の申告で入れておかないといけないものがあります(住宅ローン控除が最たる例です)。「当初申告要件」に当てはまるものも、更正の請求で適用することはできません。

まとめ

国税にいたとき、税額が減るのに修正申告を出してきた税理士がいて、出し直しをしてもらったことがあります。

修正申告と更正の請求を逆にして提出すると、無効な申告書となります。

また、更正の請求に添付書類がないケースが非常に多かったので、ご注意ください。

修正申告書や更正の請求書の手続きは意外とめんどくさく、特に更正の請求は書類を用意する必要があるのでなおさらです。

ご自身での計算に不安が有ったり、手続きが面倒と感じるようでしたら、税理士に依頼することも検討してみてください。

当事務所でも確定申告の作成依頼をお受けしております。ぜひお気軽にお問い合わせください。
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