個人事業主は自分への給料を経費にできず

こんにちは！千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。

個人事業主で、毎月給料として事業用の口座から引き出したり、プライベート用の口座に入金している方もいらっしゃると思います。

この「自分への給料」は、残念ながら事業所得の経費にはなりません。

本人への給料は経費にできない

個人事業主は、「売上ー経費」の金額全てが「事業所得」となります。

つまり、個人事業主には「給料」という概念がありません。

これに対し、給与所得者は、「給料ー給与所得控除」の金額が「給与所得」となります。

この「給与所得控除」が個人事業主で言うところの経費にあたる部分なのですが、給与所得の場合、経費の金額はハッキリわかりません。

よってこの「給与所得控除」は原則として計算式で決められた金額となっています。
（参考：国税庁HP「給与所得控除」）

自分へお金を出した時の帳簿の付け方

自分に対し、事業用の口座からお金を出した場合、以下のような仕訳となります。

どちらも、「自分に対してお金を支払った」という意味では同じです。

この場合、「事業主貸」で計上します。

「事業主貸」は経費科目ではないので、必要経費にはなりません。

個人事業主は法人の役員と違い、決まった日に決まった金額を支払う必要はありません。事業用口座からいつでも出金できます。もちろん源泉徴収も必要もありません。

まとめ

自分への給与、こづかい、家族旅行等々、名目に関わらず、自分（および家族）への支払は「事業主貸」として経費に計上できません。

ただし、家族への給与に対しては、一定の条件を満たせば給与賃金として経費に計上できます。
（こちらのブログ「家族に給料を払った場合の控除について」で解説しています）

「自分への給与を経費としている」ことを端緒として、税務調査を行ったこともあります。

ご注意いただければと思います。

【編集後記】
麻婆豆腐を作りました。ニンニクとショウガとひき肉を炒め、甜麵醬と豆板醤で味付け。美味しかった。
今回も子どもたちに好評でした。子どもが喜んでくれるのが何より嬉しいです。