こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。

手軽にできてお得な節税である「小規模企業共済」を申込みました。

小規模企業共済とは

小規模企業共済制度は、国が運営する小規模企業の経営者や役員、個人事業主などのための、積み立てによる退職金制度です。

国(独立行政法人である中小企業基盤整備機構)が運営しているため安全性は高く、非常に高い節税効果が期待できるお得な制度です。
(参考:小規模企業共済のHP

なぜお得か

掛金が全額所得控除になる

掛金は、月額1,000円~70,000円の範囲内で選べて、500円刻みで変更できます。

最大で年840,000円(70,000円×12ヶ月)の支払となりますが、この金額が全額所得控除になります。

所得税・住民税は、【所得合計ー所得控除】で計算した【課税所得】に税率を掛けて税額を計算する仕組みのため、所得控除が大きければ税額も少なくなります。

所得税の最高税率は45%、住民税の所得割の税率は10%で、最高で掛金の55%の節税効果がある計算です。

そこまで所得が高くない場合でも、例えば所得税率が20%の場合は住民税と合わせて30%の節税となるため、840,000円×30%=252,000円の節税となります。

これが10年、20年と続けば・・・効果は絶大です。

掛金が戻ってくるときは退職所得又は雑所得

共済金には満期や満額はありませんが、廃業時に受取りが可能です。

受取り方は「一括」「分割」「一括と分割の併用」となります。一括受取りの場合は「退職所得」、分割受取りの場合は「公的年金等の雑所得」となります。

「退職所得」は他の所得と比べ税金がグッと安くなる、国保や後期高齢者医療保険の所得割がかからないなど、税制メリットもあります。

掛金は運用される

掛金は予定利率1%で運用されます。銀行預金で付く利息に比べれば遥かに大きいですよね。

銀行に眠らせておくより小規模企業共済に掛けた方が節税になるし利率は高いしでお得なことしかありませんね。

低金利の貸付制度を利用できる

掛金の範囲内(掛金納付月数により掛金の7~9割)で10万円以上2,000万円以内(5万円単位)で借入れをすることができます。

利率は年1.5%となっており、使途も事業に必要な運転資金、その他事業に関連する資金、または生活資金と幅広く使いやすい制度です。

加入できるのは

こんなお得な小規模企業共済ですが、加入できる人が限られています(サラリーマンは加入できません)。

小規模企業共済の加入資格(条件)は業種や組織によって異なりますが、多くの場合は従業員数が20人以下の会社の事業主や役員となっています。

また、加入後要件から外れてしまった場合でも、解約の必要はありません。

加入できるうちに加入せず、事業規模が大きくなり加入できず後悔する、という方もいらっしゃいます。
(参考:小規模企業共済に加入をご検討中の方へ

デメリット

デメリットらしいデメリットはないような気がしますが、一応デメリットもあります。

途中解約すると元本割れする

掛金納付月数が240ヶ月(20年)未満で解約すると、元本割れします。

しかし、掛金は簡単な申し込みで変更でき、最低月額は1,000円です。

解約するくらいなら月1,000円に減らしましょう。月1,000円も無理なら、もう事業は廃止段階に来ています。

そして廃止(廃業)した場合は、元本割れしません。つまり、実質元本割れのリスクを気にする必要はありません。

なお、加入期間が12か月未満で任意解約すると掛け捨てになります。

掛金を減額した部分は運用されない

通常の預金などは、1ヶ月目7万円、2ヶ月目3万円と積んでいくと、それ以降は10万円で運用されます。

しかし小規模企業共済の場合、減額分は運用の対象から外されます(もう一度増額すれば戻ります)。無理なく続けられる範囲で金額を設定しましょう。

とはいえ、減額したとしても解約するわけではないので、損ではありません。毎月の掛金が厳しければ、減額して続けましょう。

まとめ

小規模企業共済は小規模事業者、スモールビジネス向けのお手軽でお得な共済制度です。

上手に無理なく利用しましょう。

【編集後記】
ということで先日私も申し込みをしてきました。金額はちょっと弱気に1万円。事務所が大きくなったら増やそうと思います。