こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。

戸建てやマンションの新築は減少傾向にあるようですが、住宅ローン控除の申告は毎年とても多いです。

新築や購入に際し、親御さんから資金の援助を受けたり、自治体等から補助金を受けることもあると思います。

この際の住宅の取得対価の額の算出において、注意点が2点あります。

住宅資金の贈与を受けた場合の注意点

父母や祖父母など直系尊属から住宅資金の贈与を受け、贈与税の計算において「住宅取得等資金の贈与税の非課税(措法70の2)」または「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例(措法70の3)」を受けた場合、特例を受けた部分の金額を家屋の取得対価の額または土地等の取得対価の額から控除します。

贈与の特例と住宅ローン控除は両取りできませんよ、ということでしょう。

注意点としては、

①控除するのは自分の持ち分に対応する金額からであること。
例えば2,000万円の物件で持ち分1/2、500万円の贈与を受けた場合、2,000万円の1/2の1,000万円から500万円を控除します。
2,000万円から500万円を控除し、そのあと1/2にするわけではありません。

②控除するのは特例を受けた金額だけでOK
例えば贈与税の基礎控除・110万円を控除しての部分は、物件の価格から引く必要はありません。引く必要の無い金額を控除すると、損をする可能性がありますから注意しましょう。

③贈与の特例は、期限内申告が条件
贈与の特例は、贈与税の申告書の提出期間内に贈与税の申告書及び一定の添付書類を提出した場合に限り、その適用を受けることができます。
提出期間は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日(土日祝日の場合はこれらの日の翌日)までです。

補助金の交付を受けた場合

住宅の取得等に関し、補助金等(国又は地方公共団体から交付される補助金又は給付金その他これらに準ずるものをいいます。)の交付を受ける場合には、その補助金等の額を家屋の取得対価の額または土地等の取得対価の額から控除します。

国交省のすまい給付金や、お住いの自治体でそれぞれで独自の給付金制度を設けている所もあります。

受取った補助金・給付金は、共有の場合は持ち分に応じて割り戻す必要があることもあり、やや計算が面倒で複雑です。
計算方法に不安がある場合、早めに税務署に確認しておくといいでしょう。

終わりに

資金の贈与を受けたり、補助金の交付を受けた場合は、住宅・土地の取得価額を計算する際、控除する必要があります。

また、贈与の期限内申告には要注意です。申告期限を1日でも過ぎると特例が使えないばかりか、本税の納付に加えて期限後申告による無申告加算税の対象にもなってしまいます。

【編集後記】
住宅ローン控除の相談、税務署なら無料でできます。かなり混雑するのが難点です。