こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。

確定申告書を出したら一安心。今年も大きな胸のつかえがとれた・・とホッとされている方もいらっしゃると思います。

しかし!税務署的にはここからが本番です。もうすぐ税務調査のシーズンがやってきます。

ということで、税務署での勤務経験から、「税務署に目を付けられやすい」つまり税務調査になりやすい決算書の特徴を解説しようと思います。

売上編

連年1,000万円をわずかに下回る収入金額

連年売上金額が1,000万円をわずかに下回っているような状態。

税務署側からすれば「消費税逃れか?」と疑う格好の材料となります。

これは非常にわかりやすい基準かつ意図的な可能性が高いので、税務調査になることが多いです。

インボイスが始まり今までよりはこうしたケースは減ったと思いますが、それでもまだまだインボイスを登録していない方や、そもそもインボイスを気にしないでいい人(お客様に事業者がいない方とか)もたくさんいます。
そして毎年必ずこうしたケースで調査をされ、脱税認定され重加算税が賦課されています。

絶対にバレるので止めましょう。

差益率にも注目

売上から仕入を差引いた差益率にも注目します。

これが毎年一定だったら?
同じになるように調整しているんじゃ?と疑う訳です。

逆に変動が大きければ?
その年だけ利益操作しているのでは?と疑います。

同業者と比べてどうか、といったことも確認します。

突発的な金額であったとしても、正直に申告していれば疑われたところで何も怖くありませんね。

何よりきちんと申告することが一番です。

経費編

人件費

・給与賃金
従業員が本当にいるかどうか。場合によっては店舗内外に観に行くこともあります。

家族を従業員にしていないか(青色専従者の届がない家族は従業員にできません)。

源泉徴収の納付事績も確認します。

・外注費
操作が容易なので、疑われやすい経費です。領収書はきちんと残しましょう。

接待交際費・消耗品費・福利厚生費

同業者と比べてどうか。特に家事費の付け込みが起こりやすい科目です。業種や売上規模から考え、やけに高額だと狙われます。

また、従業員がいないのに福利厚生があったら、「家族旅行じゃ?」となるわけです。

水道光熱費・租税公課

水道光熱費は、売上に比例する業種(飲食や美容など)の場合、比率を見ることがあります。

租税公課については、資産の有無や支払消費税の有無から高額ではないか、と疑いをかけます。

全体に共通すること

税理士の有無

税理士の関与がないと、誤りが多い可能性が高いと見られ、調査になる可能性が高まると言えます。

税理士がいることをもって調査しない、とはなりませんが、やはりいるいないでは全然違います。

数値がラウンド(キリのいい数字)

普通に計算して、売上や各経費の金額がピッタリ万円単位、千円単位になることなどあるでしょうか?ほとんどないですよね。

そんな数字ばかりの決算書はどうでしょう。

「適当にやってるな」とすぐ判りますね。

同業者と比べて異常値がないか

同種同業であれば、売上に占める経費の各割合は大体似通った比率になります。

税務署はこうした各業種の比率などは簡単に抽出できるシステムを持っているため、異常値があるとすぐわかります。

何か突飛なものがあれば疑いの目を向けられます。

終わりに

調査対象として目を付けられやすい項目を簡単に解説してみました。

調査が入る=悪いことをした

ではありません。

異常値になったとしても「たまたまそうなった」のであれば何の問題もありません。堂々としていましょう。

そして調査に対応する自信のない方は、税理士を頼ってください。税理士が全て対応してくれるはずです。

決算書は調査になるかどうかの情報が全て詰まっていると言ってもいいものです。

正しい数字で作成することが一番大切です。気を付けましょう。

【編集後記】
5月下旬~6月上旬にかけ徐々に調査が始まります。