こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。

こんなニュースが目に飛び込んできました。

地方公務員の兼業・副業促す 総務省が自治体に基準明示」(日本経済新聞)

元市役所職員の自分としては気になるところです。

話の概要は

公務員は原則として副業が禁じられています。

公務員は、国家・国民・市民のために働く「奉仕者」としての使命があり、その職務に対する責任があるため、営利企業に務めて報酬を得る行為は慎む必要があるというのがその理由。

  • 信用失墜行為の禁止:公務員全体のイメージを壊す、信用をなくすような行為の禁止
  • 守秘義務:職務上知りえた秘密を他所に流してはならない
  • 職務専念の義務:職員は、本職に専念しなければならない。本職に支障がでる行為も控えなければならない

こんなことが国家公務員法・地方公務員法で謳われており、国でも地方でも採用時の研修で厳しく指導されます。違反すれば懲戒処分の対象です。

ただ例外もあり、許可をもらえれば農業や不動産業などで報酬を得ることは可能です。

今回の話は、許可の基準を定めていない自治体が4割ほどある中、どのような兼業・副業なら許可を得られるのか。
新しい基準はどのような業務なら許可できるかといった考え方や優良事例を示すし、許可する自治体や公務員の不安を和らげ、申請をためらわないようにすることが目的のようです。

背景にあるのは人手不足らしい

地方公務員の採用倍率はどんどん下がっています。2023年度は4.6倍で過去最低。

私の時代から考えると信じられません。第一志望だった千葉県庁の倍率は30倍でした。落ちましたが。

採用された市役所の倍率もそのくらいかもっと多かったかな。

民間企業は多種多様な働き方を認め、優秀な人材を確保しようとしている中、公務員もその流れに乗っかろうということでしょう。

兼業できる業種は限定的。これじゃあ・・

兼業と許可すると言っても、想定しているのは、町おこしや移住者支援、過疎地のコンビニでの労働や新聞配達といった地域住民の生活維持に欠かせない仕事だそうです。

とても限定的。地方自治体が町の支援のために、というのはわかりますが、もっと広く色々な業種をOKとしないと「民間に負けないよう兼業を認めて優秀な人材を確保」なんてことの助けにはならないでしょう。

はじめの一歩になれるか

例えば市町村役場であるなら、公務に支障がないよう「できない業種」を決めたうえ、市町村内にある事務所ならどこでも副業OKみたいな感じにする。
かつ勤務時間もフレキシブルに調整できるようにすればもっと良いかなーと思ったり。

でも役所も忙しいですからね。住民対応があればそれ以外の業務が止まるし、議会対応はあるし、「定額減税」みたいに自治体にとっては大迷惑以外何物でもない業務が降ってくるし、慢性的な人手不足は続いているでしょう。

「兼業認めるくらいなら人をくれ!」というのが職員の本音ではないでしょうか。結局、現状からあまり変わらないんじゃない気がします。

とは言えどんな制度だって最初の一歩は未成熟なモノ。

制度がなければ何もできないんですから、今後、公務員の副業というものが当たり前となる第一歩になれば良いなと思っています。

【編集後記】
公務に支障が出ない範囲なら公務員が副業しても良いと思うんですけどね。