こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。

国民健康保険の通知が届く時期ですね。自治体によってはもう届いているところもあるかもしれません。

確定申告からこの方、国保が今年の税金・社会保険では最後の支払になる方も多いと思います。

もう半年もするとまた確定申告の時期がやってきますけどね。時間が経つのは早いです。

保険料の支払もさることながら、もう一つ大きな問題があります。

医療機関での支払の負担割合です。

医療費の負担割合とは

簡単に医療費の負担割合のおさらいです。

医療機関に行って窓口で支払う医療費は、健康保険適用のものであれば点数化され料金が決まっています。

初診代300点、検査代100点など(数字は適当です)。

この点数を合計し、10倍した金額が本来の医療費となります。
上記の例では400点×10=4,000円です。

この4,000円のうち、その方その方の保険証の負担割合分がご自身が病院などで支払う料金となります。
2割負担の方であれば800円、3割負担の方であれば1,200円です。

年に1,2回しか病院には行かないよ、という方でしたらそこまで違わないかもしれませんが、何回も病院に行く必要のある方にとっては大きな差となります。

国民健康保険の負担割合

現在国民健康保険の負担割合は2割か3割です。

小学生以上69歳以下は3割負担。70歳以上75歳未満(75歳以上の方は皆さん後期高齢者医療保険に移行となります)で所得が一定以下の方と未就学児は2割負担となっています。

私が市役所の国保課にいたときは70歳以上の方は1割だったんですけどね。どこの保険組合ももう財政はいっぱいいっぱいで、余裕がありません。この2割負担もいずれ3割負担になるかもしれませんし、3割負担が4割負担になるかもしれません。

2割負担・3割負担の分岐点

どこの市町村も大体7月から8月にかけて国保の保険証の切替があると思います。

そのタイミングで、保険証の負担割合の判定対象の年も切り替わります。

千葉市では8月から次の保険証になりますが、そこから令和6年中の収入・所得を対象に判定が行われます。

現役なみ所得者

70歳以上の方で3割負担となるのはいわゆる「現役なみ所得者」で、住民税の課税標準額が145万円以上の場合が該当します。

住民税の課税標準額は概ね所得税(確定申告)の課税所得ですが、所得税と住民税の控除額が若干違うため、住民税の課税標準額の方が高くなります。

同じ世帯に上記「現役なみ所得者」が一人でもいれば、その世帯の70歳以上の方の負担割合はすべて3割となります。

※特例
70歳以上の被保険者で、世帯内の70歳以上の被保険者の賦課基準額の合計が210万円以下である場合は、一部負担金の割合が2割になります。

現役なみ所得者でも申請で2割負担にできる場合も

以下に該当する場合、申請により2割負担に変更できます。
①70歳以上75歳未満の被保険者が1人の場合で、収入が383万円未満の場合。
②70歳以上75歳未満の被保険者が複数の場合で、その方々の収入合計が520万円未満の場合。
③収入が383万円以上で、特定同一世帯所属者(*)との収入合計が520万円未満の場合。
*特定同一世帯所属者とは、国保の加入者が75歳になって後期高齢者医療保険に移行し、その後もそのまま同じ世帯にいる方。

これに該当する場合は、市から案内文と申請書が届くと思います(私が職員の時は送っていました)。そうするとよく言われたのが、「何でそっちで収入を把握しているのに申請が必要なんだ!」というクレーム。

お気持ちは分かりますが決まりなんで・・という定型文を伝えるしかありませんでした。

面倒ですが出せば負担割合が減りますので、ここはサクッと出してしまいましょう。

終わりに

保険料も痛いですが、病院に頻繁に通う方であればそれ以上に負担割合が増えるのは問題です。

特に配当や株式譲渡など、申告しなくてもいいものを申告すると、還付金以上の負担増になってしまうこともありますので注意してください。

【編集後記】
社会保険は毎年値上げされています。「健康保険料が前年より安くなった」という改定を見たことがありません。
どこまで上がっていくんでしょうね。何とかしてください。