
こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。
国税庁は7月が年度の切り替わり(7月からの年度を「事務年度」と呼んでいます)。7月10日に定期人事異動があり、新たな体制に入れ替わります。
それと同時に、今年度の税務調査が本格的にスタートします。
令和7事務年度から、個人事業主についてもオンラインツールを使った税務調査がスタートするようです。
大規模法人では始まっている
コロナ禍を契機として、令和5事務年度から既に大規模法人ではオンラインツールを使った税務調査や行政指導が行われています。と言っても試行的に実施している段階です。
国税が何より防がなくてはならないのは情報漏洩。年収や家族構成など多くの個人情報を抱えているため、漏洩は許されません。
たとえ職員であっても、自分の仕事に関係ない納税者の申告状況を見るのはNG。ログが厳しく管理されており、少しでも疑わしい動きがあるとすぐ呼び出され確認を求められます。当然、私用利用は処分されます。
そういう訳で、これまで外部との連絡にオンラインツールを使うことはできませんでした。
税務調査の現場で「メール連絡はできないんですか?」と何度聞かれたことか。
外部とのメールは一部管理職を除き認められていませんでした。
個人事業主に対してもスタート予定
オンライン調査が令和7事務年度から、個人事業主に対してもスタートするらしいです。
例えばインターネットメールであったり、Web会議(MicrosoftTeams)であったり、オンラインストレージサービス(PrimeDrive)を利用することを予定しているようです。
まだ国税の資料では「~を予定している」という言い回しで、本決まりじゃないのかな?という感じですが、遅かれ早かれ実現するものと思います。
実際の運用はどうなる?
事前に用意してもらいたい資料をメールで通知したり、面談をWebで行ったり、調査資料をオンラインストレージサービスで受け渡したり・・と、色々と便利になりますと謳っています。
利用にあたってはトラブルを避けるため事前に同意を得て行われるもよう。
また、あくまで同意の上、調査の臨場前に帳簿書類等のデータ提供も求めるとしています(これは調査官にじっくり確認されるゆとりを与えるだけなのでやらなくてもいいんじゃないかと思いますが・・)。
メリット・デメリット
今は国税を辞め調査を受ける側です。
このオンライン調査、受ける側はメリットも多いだろうと思います。実際の対面で行われるよりずっとストレスやプレッシャーは減るでしょうし、時間の都合もつけやすい。
税理士にとっても、離れた所にいるお客様の税務調査の立会いも容易になります。
逆に調査官の立場として考えると・・どうでしょう。
手続き的や書類のやり取りといった面は便利になると思いますので歓迎でしょうが、調査は不正を見つけ重加算税を賦課するのが大きな目的です。
オンライン調査と実際に臨場しての調査、どちらが見つけやすいかな、と思ってしまいます。
まぁこれから試行錯誤して良いものにしていくんでしょうきっと。
終わりに
税務署の現場でもITのスキルアップが求められるでしょうし、本格的に運用していくのはまだ先でしょう。
どうなっていくか。興味深いですね。