
こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。
住宅ローンは繰上げ返済してできるだけ早く返した方がいい、と漠然と思っている方も多いと思います。
かくいう私もその一人。借りたものは早く返してしまいたいタイプで、数年前に繰上げ返済をしました。
繰上げ返済をする前に注意したい点をまとめてみます。
繰上げ返済は2パターン
繰上げ返済には2パターンあります。
・期間を短縮する方法・・・全体の返済期間を短くする方法。30年3,000万円で組んだローンを500万円繰上げ返済した場合、返済期間が30年→25年になる方法です。
この場合、毎月の返済額は変わらないことになります。
・毎月の支払額を減額させる方法・・・上記の例で言うと、ローン総額が2,500万円に減少したけど、返済期間は30年のまま、という方法です。ローンの支払を終える期間は変わらないのに総額が減る訳ですから、毎月の返済額は減額になります。
全体的な利息を減らしたいのであれば「期間を短縮する方法」の方になりますが、毎月の支払額を減らしお金のやりくりを楽にさせたいなら後者になります。
私は両方を組み合わせるような感じで繰上げ返済していきました。
年を追うごとに期間が短くなり毎月の支払額も減っていく、という形で、気分はとても爽快でした。
どっちが正解、ということはないので、もし繰上げ返済する場合はご自身の状況にあった方法を選んでいただければと思います。
住宅ローン控除との関係
繰上げ返済をしようとする方の中には、住宅ローン控除を受けている方も多いと思います。
というより、ほとんどの方はそうでしょう。
住宅ローン控除は年末時点でのローン残高に控除割合(1%や0.7%)を掛けて控除額を算出するので、ローン残高が少なければ控除額も少なくなる可能性があります(控除限度額をオーバーしているならこの問題はありません)。
繰上げ返済して全体的な利息を減らしたはいいけどそれ以上に減税額が少なくなってしまった!
という話はよく聞きますので、本当にそれでいいのかどうかをよく考えてから返済してください。
なお、ごく稀にではありますが、繰上げ返済することによってローンの期間(最初から返済終了までの期間)が10年未満になり、住宅ローン控除を受けられなくなる方がいます(住宅ローン控除は、返済期間が10年以上であることが要件の1つです)。
期間短縮型を考えている方は気をつけてください。
お金に余裕があるかどうか
繰上げ返済をするときはお金に余裕があるときに行いましょう。
いざまとまったお金が入っても、
・子どもの学費
・病気やケガ、介護等で仕事をできないときの備え
・車を買い替えたい
・転職を考えている 等々・・
それなりのお金が必要な局面はたくさんあります。不測の事態に備える必要もあります。
あとで借りようと思っても、住宅ローンの金利よりは遥かに高くなってしまいますし、さらに言えば貸してくれるかどうかもわかりません。
お金を取っておくことで生まれる余裕もありますので、無理に繰上げ返済をせず、お金を残しておくことも考えておくと良いと思います。
終わりに
住宅ローンには団信(団体信用生命保険)があり、契約者にもしものことがあったとき、ローン残債がチャラになります。そのため、急いで返す必要は全くない、と仰る方もいます。
また、住宅ローンの金利は本当に低いので、繰上げ返済をする資金があるならNISAなどで運用する方がお得だ、という考えもあります。
そうは言っても性格的な部分もあります。私は繰上げ返済してしまいましたが、「投資に回しておけば良かった~」というような後悔はありません。それよりも早く返してスッキリさせたいという考えでした。
結局のところその方その方によって正解は違います。
繰上げ返済をする前にちょっと立ち止まって考えてみるのも良いかなと思います。