
こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。
2025年のノーベル賞の発表が始まっています。昨夜は日本の坂口志文・大阪大栄誉教授がノーベル生理学・医学賞を受賞したとの嬉しいニュースがありました。
このノーベル賞、受賞者には賞金として日本円で約1億5000万円が贈られますが、賞金に税金はかかるのでしょうか。
基本的に税金はかからない
何か去年も同じネタでブログを書いた気がしますが・・。まぁいいや。
いきなり結論ですがノーベル賞の賞金には所得税・住民税はかかりません。
所得税法という法律で、第9条第1項第13号ホに規定があり、
【「ノーベル基金からノーベル賞として交付される金品」は所得税を課さないこと】
と記されています。
これは1949年に湯川秀樹博士が日本で初めてノーベル賞を受賞したことで生まれました。
当時、「ノーベル賞の賞金に対して課税するのか」と議論が起き、その結果ノーベル賞の賞金に対しては非課税所得として扱われるようになりました。
この所得税法第9条は非課税の所得が列挙されています。例えばサラリーマンの給料に加算して受け取る通勤手当や、当座預金の利子、など。
他にも興味深いものとしてオリンピックやパラリンピックで特に優秀な成績を収めた者に対する表彰金などもあります。
この辺の話はネタとして面白いため、国税局に転職して初めての研修中の与太話として講師が話してくれたのを覚えています。
例外:ノーベル経済学賞は(今のところ)課税される
実はノーベル経済学賞の賞金だけは、「今のところ」という注釈付きで課税されてしまいます。
ノーベル賞は皆さんご存知のようにアルフレッド・ノーベルの遺言によって始まった賞ですが、もともとの遺言には、「経済学」を除いた5分野しか記載されていませんでした。
ノーベル経済学賞は、1968年にスウェーデン国立銀行が説倫300周年を記念して設立されたものです。
そのため、賞金の拠出元は「スウェーデン国立銀行」なっています。
つまり非課税規定にある「ノーベル基金からノーベル賞として交付される金品」ではないのです。理屈としては課税されることになってしまいます。
まぁもし日本人がノーベル経済学賞を受賞したとすると改正が入ると思います。その日が来るといいですよね。