こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。

最近立て続けに平均課税を適用しての更正の請求をすることがありました。

ちょうど良いので、この機会に平均課税と更正の請求について整理してみようと思います。

更正の請求とは

まずは更正の請求について。

更正の請求とは、一度提出した確定申告書を直す手続き(当初の申告より南瀬額が減少又は還付額が増加する場合)のことです。

確定申告は通常、翌年の3月15日が提出期限となっていて、提出すると一旦そこで内容が確定します。

その確定した内容を直す手続きが更正の請求です。更正の請求は納税額が減少・還付額が増加する場合に行います。

逆に納税額が増加したり還付額が減少する場合の手続きは「修正申告書」の提出となります。

平均課税とは

平均課税は漫画家さんの税金計算をする上で強い味方となる制度で、うまくいくと何十万と税額が減少することがあります。

税金計算は一年単位で行い、その年の所得金額が高ければ高い程所得税の税率が高くなる仕組みです。

しかしながら、漫画家さんなど年によって所得の変動が大きい職業の方は、この制度では不利になってしまうことがあります。

例えば同じ3年間で見たとき、毎年500万円の所得がありそれが3年間続く場合と、一年だけ1,500万円の所得があってのこり2年が0円というケースでは、3年間のトータルで計算すると後者の方が税負担が重くなります。

この不公平なバランスを是正するのが平均課税です。

詳しくはこちらをご覧いただければと思います。

更正の請求をする際の注意点

更正の請求をすると無条件で還付額が還って来る訳ではありません。

更正の請求には「追加・変更となる証拠書類の添付」が必要です。

その証拠書類と内容を基に、税務署で簡易的な調査を行います。その結果、税額が変更される、という流れです。

税務署で何度も更正の請求の審査をやりましたが、「書類の添付もれ」が非常に多かったです。

書類が無いと本人(又は税理士)に連絡し提出を求めます。提出された書類が足りないとまた連絡して・・と、とにかく時間がかかります。そして揉め事の原因となります。

提出書類には注意しましょう。

更正の請求の提出後、税務署での審査、税額変更決定の通知の送付、還付金の振込というこの一連の流れですが、税務署の方針としては提出日から通知の発送まで3ヶ月以内という目標があります。

通知の発送から振込まで2週間から1ヶ月程度かかるので、提出日から還付までは長いと4ヶ月程かかることもあります。

気長に待ちましょう。

平均課税の計算には国税庁HPの確定申告書作成コーナーが便利

会計ソフトで確定申告書まで作成できるものが多いですが、大抵、平均課税の計算は自身でやるような形となっています。

そんな時は国税庁HPの確定申告書計算コーナーを利用しましょう。

通常の確定申告書作成の流れで、平均課税の計算に必要な数値を入力すれば計算は自動でやってくれます。

とはいえ、平均課税の対象となる変動所得の計算はご自身でやっていただく必要があります。適用する年とその前年・前々年の計算が必要になるので、平均課税の適用の有無に関わらず、帳簿を作成する段階で整理しておくことをお勧めします。

終わりに

ということで、更正の請求で平均課税を適用するときの注意点をまとめてみました。

ちょっと難しく感じるかもしれませんが、効果は結構大きいし、やって損することはありません。チャレンジしてみてください。自信がないという方は税理士など専門家への依頼も検討しましょう。

ただし、平均課税は所得税のみの制度であって、住民税には影響しません。

更正の請求が認められても住民税や国民健康保険料には影響がないことに留意してください。