こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。

ご自宅の一部屋を作業場として活動されている漫画家さんは多いと思います。

自宅で仕事をしている場合の光熱費は、仕事の支出とプライベートの支出が混在します。

経費計上するための注意点についてまとめてみます。

水道光熱費の具体例

電気や水道などの利用料金をまとめて「水道光熱費」という科目で記帳します。具体的には以下のような支出があります。

  • 水道料金
  • 電気料金
  • ガス料金
  • 冷暖房費(空調費)
  • 電灯費 など

自宅兼事務所の場合、これらの支出はまとめて払っているため、仕事分とプライベート分に区分けし、仕事で使っている分だけを経費とします(家事按分)。

家事按分

経費に計上できるのは、事業で直接的に必要になった支出のみです。

自宅で業務を行っている個人事業主の場合、水道光熱費にはプライベート分も含まれています。

そのため、「家事按分」といって事業分とプライベート分を分ける処理が必要になります。

按分の割合や計算方法については、特に法的な決まりがあるわけではありません。

例えば部屋数や面積で分けたり、稼働時間で分けたりする場合が多いです。

明確な根拠さえあれば、割合が高くなっても問題ありません。税務調査があったときは、その根拠を堂々と調査官に主張しましょう。

もし否認されたとしても、受けるペナルティは僅かです。

逆に「何となく」で決めるのは止めた方がいいでしょう。

水道・ガス料金は経費にできるか?

ガスや水道に関しても、事業で使用していれば、その分は水道光熱費として経費計上できます。

ただ、漫画家さんの場合、仕事でガスや水道が必要な場面は限られていると思います。

お一人で活動されているようなら、使う場面はかなり限定的じゃないかと。
自宅で担当編集者と打ち合わせをしたときにお茶を沸かす、くらいでしょうか。昨今は自宅で打ち合わせをすることもあまりないかと思います。

アシスタントさんがいて、そのアシスタントさんに飲み物を出すための水道・ガス料金はOKでしょう。トイレも使うでしょうから下水道使用料も一部認められる可能性は高いです。

「水道光熱費だから電気・ガス・水道全て按分すれば経費にしてOK」という考え方は危険です。経費にして良いのはあくまで仕事に必要な支出だけです。

まとめ

家事按分と水道・ガス料金については注意してください。

「家事按分は何%以内に収めないといけない」といった明確な決まりはありませんので、根拠を持って計上すれば問題は起きませんが、プライベート分を含めて過剰に入れてしまうと調査があったとき虚偽申告が疑われることもあります。

税務調査や追徴課税は最大7年遡って行われるので、ケースによってはとても痛い出費になるおそれもあります。

気をつけてください。