
こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。
漫画家さんが加入する健康保険は、市町村国保か文芸美術国民健康保険(文美国保)のいずれかになると思います。
今市町村国保に加入されている方で、文美国保に切り替えようとする場合は早めに動きましょう。
市町村国保は前年の所得を基に計算
市町村国保は住民税の課税データを基に金額を算定します。
住民税は前年の所得を基にその年度の税額を計算するため、市町村国保も同様の形となります。
今は令和7年度なので、令和6年中の所得がベースです。次の確定申告では令和7年分の内容を申告することになりますが、その内容は令和8年度の算定の基となります。
住民税も市町村国保も年度の切り替わりは4月。つまり3月分までは令和6年中の所得がベースになり、4月から令和7年中の所得がベースになるという仕組みです。
確定申告を待たずに保険料を算定しましょう
12月が終われば、ある程度1年間の所得がどの位になるかわかると思います。
わかったらもう市町村国保の料金を算定してみましょう。
市町村国保は自治体によって税率が異なり、「○〇市 国民健康保険 料金」などと検索すれば計算方法が出てくると思いますが、どこでも概ね10%程度(40歳以上の場合は+2~3%)です。
最終的な年額は、所得-基礎控除(43万円)で算出した課税所得に上記の税率を掛ける所得割と、自治体ごとの平等割・均等割(一世帯・ひとりあたりの定額。概ね5万円~6万円)の合計となります。
文美国保の保険料
文美国保の保険料はご本人様が月額25,700円、ご家族は月額15,400円となります。
40歳以上の場合は、上記に+6,100円となります(ご本人様、ご家族様共通)。
これと市町村国保を比較して、安い方に切替えましょう。
手続はお早めに。審査に時間がかかります。
いざ「文美国保に切替えよう!」と決めたとしても、すぐに切替えできるわけではありません。
まず前提として、文美国保に加入するためには文美国保の加盟団体に所属している必要があります。
漫画家さんの場合、日本漫画家協会とマンガジャパンが該当します。
既にどちらかに加入していればいいんですが、未加入の場合はまずこれらの加盟団体に加入するための申込と審査を経る必要があり、これに時間がかかります。長いと4ヶ月程度かかることもあるようです(マンガジャパンの方が審査は早い傾向があるようです)。
入会が認められましたら、次は文美国保への加入手続きです。こちらも審査に時間がかかります。
保険料は月末に所属している保険にその月の分を支払うという仕組みですので、年度が切り替わり4月中に文美国保への加入ができれば次の年度は全額文美国保となりますが、5月以降の切替になると月割で市町村国保への支払が残ります。
ちなみに、どちらの団体も年会費が2万円かかりますので、年会費と文美国保保険料を足して市町村国保の料金と比較しましょう。
終わりに
「今年は収入が上がりそうだ・・」ということがわかりましたら、税金と共に健康保険の対策も検討しましょう。
早め早めに動くことをお勧めします。

