こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。

10月も半ば、そろそろ確定申告の足音が聞こえてくる季節です。

今年一年の所得(利益)が赤字でも確定申告はするようにしましょう。

青色申告者なら赤字を繰り越して将来の税金を削減できる

白色申告では無理ですが、青色申告者で事業の所得が赤字の場合、「純損失の繰越控除」という制度を適用できます。

ざっくり言うと、その年の赤字を翌年以降最大3年間、将来の黒字と相殺できるという仕組みです。
(ただし、他の所得(給与所得など)がある場合は、その赤字と他の所得を通算してまだマイナスが残っている場合に限ります。)

特に事業を始めて間もなく十分な売上も無い頃などは赤字になることもしばしば。

例えばR7年-300万円の赤字で、R8年100万円、R9年100万円、R10年100万円の黒字であるなら、R7年の赤字をそれぞれ100万円ずつ繰越し、R8年~R10年の黒字を0円にして税金を計算できる、ということです。

これはお得な制度ですよね。赤字であっても確定申告をしていないと繰越すことはできませんので、必ず確定申告をしましょう。

源泉徴収されていれば還付になる

漫画家さんやイラストレーターさんで取引先が出版社や企業などであれば、受取る報酬からは源泉徴収という形で所得税が引かれているはずです。

これは所得税の概算先払いであって、実際の税金の計算は確定申告で行います。

赤字であるなら所得税は0円、つまりかかりませんので、確定申告をすれば予め引かれている=払っている源泉徴収された所得税が還付される、という流れになります。

住民税の申告をしないで済む

所得税の確定申告をすればその内容は市区町村に送られるため、住民税の申告をする必要はありません。

住民税も赤字であれば課税されませんが、所得が低いことによる国民健康保険などの軽減を受ける場合は、何らかの申告が必要です。

確定申告をすれば住民税の申告のことを考える必要もなくなります。

終わりに

赤字であっても確定申告をするメリットは色々あります。

きちんと申告し、そのメリットを享受していただければと思います。