こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。

当事務所は「フリーランス・個人事業主に専門特化」しています。

そこで今回は、フリーランスの経費がどこまで認められるのか、経費として認められるには何が重要か、について整理したいと思います。

「この支払、経費でいいの?」問題に悩まされている皆さん、少しお時間をいただいて、記事を見ていってください。

そもそも経費とは?

そもそも「経費」って何?

基本的な部分からおさらいしましょう。
事業の利益は、売上(収入)から、使った費用を引いて計算しますね。

この使った費用が経費です。つまり、経費が多ければ多いほど利益は少なくなり、税金や国民健康保険が安くなるわけです。

それなら、どうせ支払うものは何でもかんでも経費に入れてしまいたい、と思いますよね。けれど、全てを経費にすることはできません。

経費として計上できるのは、「事業に関連する支払い」に限られます。

事業に関連する支払い

商品の仕入れ代、事務所の家賃、仕事用の消耗品など、100%事業用であれば、全額経費となります。

難しいのはプライベートの支払いが混在するときです。

私の例ですと、先日、子どもを車で送迎したのですが、そのまま事務所へ行き仕事をしました。このときのガソリン代はどうなるでしょうか。

こういったケースでは、「家事按分」といって、事業に関連する支払いと関連しない支払いを適切に案分することとなっています。

子どもの送迎と事務所への移動と、大体同じくらいの距離だったので、今回のケースだと半分は経費になる、といった感じです。

自宅で仕事をしている方の家賃や光熱費、プライベートでも使うパソコンや携帯電話の通信費なども、同じような計算が必要になります。

書類は必ず保管。領収書が無い場合は?

では、具体的に経費にする=税務署に認めらるにはどうすればいいでしょうか。

当然のことではありますが、領収書・レシートは必ず残しましょう。支払いの事実を証明するものになります。

領収書がなくても、まだあきらめる必要はありません。

例えば、毎月支払っているようなもので、「その月だけ領収書を無くした!」といったようなケース。きちんと説明できれば、高確率で経費として認めてくれるはずです(私が調査官のときは、認めていました)。

また、そもそも領収書がないような場合。例えばご祝儀やお香典、自動販売機での飲み物などはどうでしょうか。
ご祝儀やお香典は、招待状などの書類を残しておくといいでしょう。よほど突飛な金額でなければ、否認されることはないはずです。
自動販売機の飲み物代などは、出金伝票等で支払いの事実を残しておくと良いと思います。

それもこれもない、けど払ったのは間違いない、ということであれば、所得税には推計課税というものがあり、推計で経費が認められることもあります。しかしこれは税務調査官との交渉次第になってしまいます。一旦経費として計上したものの交渉は、税務調査のときになりますので、そこで否認されてしまうと、修正により増加する本来の税金に加えて、ペナルティのようなもの(加算税や延滞税といったものがあります)が発生する可能性があります。

税務調査対策。大事なのは理由です。

確定申告書を提出するときは、経費の領収書などを提出する必要はありません。

提出の段階では何を経費にしているのか、税務署側はそこまでは確認しないのです。

ではいつ確認するのか。税務調査のときです。

税務調査では、帳簿とその基になった書類を確認します。この時、「この支払いは何?」と聞かれるわけです。

ここで重要なのが、「事業に関係する費用であることの理由」を説明できるかどうかになります。

「こういう理由で、支払いの半分を経費にした」などと、税務調査官にきちんと説明できるようにしましょう。

例えば、よくある話題が「スタバのひとりコーヒー代は経費になるのか」。

出先で仕事をするのにスタバで、というのはよくあることですよね。

スタバに入れば、当然、何か注文しなくてはなりません。そこで注文したコーヒー代が経費になるのか、という話です。

仕事をする場所が必要だった、だからスタバで仕事した。そこで頼んだコーヒーは場所代のようなものだから経費とした。

こうした理由で経費とするのは、私はOKだと思います。調査官としての立場で考えても、認めていいと思います。ただ、プラスして食べ物を頼んだとしたら、その分は経費にならないでしょう(そこまでは場所代としては必要ないですよね)。

まとめ

税務調査では、「事業に必要な支払いか」ということは必ず聞かれます。

経費にできるものを経費に計上せず、余計な出費を強いられる必要はありません。

多少あいまいな支払いであれば、事業に必要であることをきちんと説明できるよう、普段から「証拠の書類」と「理由」を整理しておくと良いと思います。

自分で整理するのが大変・難しい、という方は、顧問税理士を付けることを検討してみてください。経費にできるかどうか、税理士が一緒に検討してくれます(その税理士の基準で判断してくれます)。そして、税務調査で調査官から指摘を受けた時は、判断をもとにきちんと反論してくれるはずです。

【編集後記】
税務調査。調査官も緊張していますよ。
お互いリラックスして話をすればスムーズに進みます。