こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。

漫画家さんから平均課税の相談を受けることがあります。

「よくわからないけど得をする制度」という認識の方が多いと思います。

あまり知られていない事もあるようなので、その点についてまとめてみます。

そもそも平均課税とは

所得税は暦年、つまり1月1日から12月31日までの所得(=儲け)を元に計算します。

また、累進課税と言って、課税される所得が高いほど税率も高くなる仕組みで(不動産譲渡や株式譲渡などの分離課税は除きます)、所得が高いほど税金の負担も大きくなります。税率は5%から45%まで段階的に上がります。
(参考:国税庁HP「所得税の税率」)

そのため、数年間で考えた場合、トータルでは同じ所得金額でも、毎年同じくらいの所得の方と、1年だけボーンと所得が上がった方では、税負担に差が生じてしまいます。

漫画家さんの印税や自然資源に基づくもの(漁獲など)のように、自分でコントロールできないものが原因で差が生じている場合は不公平となります。

この不公平な差を埋めるのが平均課税という制度です。

毎年適用できるわけではない

漫画家さんだから毎年適用できる、というわけではありません。

まず、平均課税の対象となる所得は「変動所得」というものに限られます。

具体的には原稿料、印税、著作権使用料など。

ご自身で作成された同人誌などをコミティアなどのイベントで売った場合の売上は対象とはなりません。

そして金額に関する要件もあり、

去年と一昨年、変動所得(印税や原稿料収入)が無かった方
・去年と一昨年の変動所得(印税や原稿料収入)の合計を2で割った平均が、今年の変動所得(印税や原稿料収入)の金額未満である方
(言い換えると、今年の変動所得が、過去2年の変動所得の平均より大きい方

→いずれかに当てはまり、今年の変動所得(印税や原稿料収入)が、所得全体の20%以上であること

となります。

特に「今年の変動所得が過去2年の平均より大きいこと」を満たすか満たさないかが重要です。

また、平均課税を適用しても元々税率が一番低い場合はそれ以上は下がらないため、結果が変わらないこともあります。

遡って適用できる

「これまで平均課税を適用しないで申告をしていた、今年は適用したいと考えて依頼した」

という形でお声がけをいただくことがあります。

平均課税は一度申告をしていても遡っての適用が可能です。

そのため、お声がけいただいたお客様につきましては過去まで遡って適用の可否を確認しています。

過去年分の確定申告を直すには「更正の請求」という手続きになり、色々と書類が必要だったりするので、ご自身でされるのは少し難しいかもしれません。

ともあれ、その年限定という話ではなく、過去年に遡って適用できるということは知っておいて損はないかと思います。

これまで何件か更正の請求をしましたが、何十万と還付になることもありました。

チャレンジしてみてもいいかもしれませんね。

白色申告でも適用できる

たまに「平均課税は青色申告でないと適用できない」と考える方がいらっしゃいます。

平均課税は青色申告でも白色申告でも適用可能です。

終わりに

ということで、お客様からお声がけをいただきお話をする中でよくある誤りをまとめてみました。

少しでも参考になれば嬉しいです。