こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。

先日のブログで扶養控除について、概要や要件、誤りやすい点などについてまとめました。

今回は判断に迷いやすい点や具体例を紹介したいと思います。

「同居」に当たるか

70歳以上の直系尊属(父母や祖父母など)を扶養親族とする場合、同居をしていれば控除額が10万円(所得税は7万円)加算されます。

入院している場合

病気の治療のための入院である限り、1年以上の長期入院のような場合であったとしても「同居している」ものとして取りって良いこととされています。

なお、老人ホーム等、施設へ入所している場合は同居とはなりません。

(国税庁HP:「同居」の範囲(長期間入院している場合)

単身赴任の場合

単身赴任で自身は別居しているものの両親を自宅に残している場合、配偶者が両親と同居していれば同居老親等として申告できます。しかし、配偶者がともに転居してしまえば、たとえ子どもが両親と同居したとしても「同居」とは認められません。

租税特別措置法第41条の16

「扶養親族」に当たるか

再婚相手の子どもの場合

再婚相手に前配偶者との間の子ども(16歳以上)がおり、その子どもとは養子縁組はしていないが一緒に暮らしているような場合、扶養親族に含めて申告することが可能です。

配偶者の子は「1親等の姻族」となるため、扶養親族に該当します。

(国税庁HP:「配偶者の子に係る扶養控除」)

離婚相手が引き取った子どもの場合

上記のケースとは逆に、離婚相手が引き取った子どもに養育費を送金している場合等はどうなるでしょう。

実施ですから当然親族要件は満たされます。

養育費の送金が「生計を一」に該当するかどうかに拠りますが、

・扶養義務の履行として支払われる場合
・子が成人に達するまでなど一定の年齢等に限って支払われる場合

であれば扶養控除になるとされています。

ただし、扶養控除は重複ができないので、離婚した配偶者(又はその再婚相手)といずれか一方についてだけしか認められません。

どちらで扶養とするかは、スムーズに進まないこと必至ですが話し合いで決めるしかないでしょう。

(国税庁HP:「生計を一にするかどうかの判定(養育費の負担)」

亡くなった配偶者の父母(生計を一)の場合

亡くなった配偶者の両親に送金するなど生計を一にしている場合です。

配偶者との婚姻関係があっての「配偶者の直系尊属」だったわけですが、配偶者の死亡により婚姻関係は解消されます。

しかしながら、配偶者の両親との姻族関係が直ちに否定されるわけではなく、生存しているうちに配偶者が婚姻関係を終了させる意思表示をしていない限り、死亡した配偶者の直系尊属も「配偶者の直系尊属」に含まれます。

したがって、扶養親族に該当することになります。

(国税庁HP:「死亡した配偶者の父母に係る扶養控除」)

内縁関係の相手の子どもの場合

扶養親族の対象は「6親等内の血族及び3親等内の姻族」とされています。

内縁相手は配偶者ではないため、その子どもを扶養親族として申告することはできません(その子どもと養子縁組をしていれば可能です)。

年の途中で亡くなった場合

扶養親族が年の途中で亡くなった場合

年の途中で亡くなった場合、亡くなった時の状況で判断します。

亡くなった時点で扶養親族の適用要件を満たしていれば、扶養控除として申告することが可能とです。

配偶者控除と扶養控除の重複適用

死亡した夫の控除対象配偶者とされた妻を、遺された子が扶養控除とすることが可能か、という話です。

年の途中で亡くなった場合、亡くなった時の状況で判断します。よって、夫の準確定申告などで配偶者控除とすることが可能です。

他方、子どもは子どもで12/31の状況で扶養等を判断します。12/31に子どもに扶養されている場合は、扶養控除の対象となることができます。

よって、夫の準確定申告などで配偶者控除の対象、子どもの確定申告などで扶養控除の対象となることができます。

(国税庁HP:「年の中途で死亡した夫の控除対象配偶者とされた妻の扶養控除」)

まとめ

あまり多くないケースだと思いますが、「扶養控除にできるのにしていない」などもったいない場合もありますので、ご注意いただければと思います。

【編集後記】
福豆を買いました。スーパーだと節分のときしか売ってないのでネットで。美味しいです。