こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。

税務調査、と聞くとどんなものをイメージしますか?

調査官が家や事務所にやってきて、色々聞かれたり漁られたり、そしてガツンと追徴を食らう。

そんなイメージでしょうか。

税務署の調査でさすがにガサ入れのようなことはできませんが、それ以外はまぁ概ねそのとおりかなという感じです。

ですが、調査官が家や事務所にやってくる調査、実地調査と言いますが、税務調査はそれだけではありません。

税務署の机で調査を行う・その名も机上調査

納税者の家・事務所へ行って行う実地調査に対し、多くの場合税務署に呼び出し問題点を絞って指摘、修正申告を提出させたり、無申告者の期限後申告をさせたりする調査があります。これを、机上で行うというイメージからか机上調査、と呼んでいます(正確な由来は知りません)。

家に来ないし何も見られないし、おかしい所を少し指摘されるだけでしょ、と大したことないような感じではありますが、調査は調査です。

机上調査で重加算税(一番重いペナルティ)が課せられることはほぼないでしょうが、実地調査と同じ率の過少申告加算税・無申告加算税が課せられます。

そして机上調査には事前通知というものがありません。いきなり呼び出しいきなり調査です。

事前通知がない=調査ではない、という図式ではないのです。

調査かそうでないかで、加算税は大きく変わってきます。

税務調査には机上調査を含むとした裁決

税務調査は机上調査を含む広い概念であることを示した裁決があります。

国税不服審判所 平成26年7月28日裁決

長いんですが要旨としては

  • 贈与税が無申告であった
  • 税務署が贈与の事実を把握していた
  • 税務署は納税者に来署を依頼した
  • 納税者は税理士に依頼
  • 税務署と税理士がやり取り(税理士が税務署に行った)をし、納税者は一度も税務署の職員とは会っていない
  • 期限後申告を提出し、調査に基づくものとして15%の無申告加算税が賦課された

加算税を不服として異議申し立てを行いましたが、負けています。

実地調査の他、机上調査や税務署内部の準備調査も税務調査に含まれる、としています。

終わりに

税務署から連絡があった場合、調査なのか行政指導なのかの確認をしましょう。

その上で、調査でないなら税務署と何かやり取りをする前に修正申告書・期限後申告書を提出すれば、加算税を軽減できる可能性があります。

【編集後記】
机上調査でも追徴税額が大きくなることはあります。追徴が少ない=机上調査、ではありません。