
こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。
先月になりますが、金融庁が検討する2026年度の税制改正要望の概要が判りました。
大きなポイントは暗号資産の分離課税化とNISAの拡大です。
暗号資産の分離課税化
現状は仮想通貨取引により生じた利益は原則として雑所得
ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)取引により生じた利益は、現状は原則雑所得とされています。
他の所得、事業や給与、年金などと合算して税金が計算されます。
その税率は累進となっていて、5%~45%(それにプラス住民税10%)。
最高55%と、利益の半分以上を税金で持っていかれる形になっています。
改正されればどうなるか
「原則として雑所得になり総合課税」から「分離課税」に変わります。
分離課税は他の所得から分離し、その所得だけに税率を乗じて計算する方法で、暗号資産の所得だけに対し税率を乗じることになります。
これにより、最高55%だった税率が20%(所得税15%、住民税5%)になる見込み。
多くの方にとって減税ということになるのではないでしょうか。
また、損失が出た場合は繰越控除が認められることになると思います。
NISAの拡大
スイッチング
今の制度ですと、NISAで持っている株式等を売却すると、その分の非課税枠が復活するのは翌年です。
ただ、非課税枠が毎年360万円あり、これはこれで通常どおり使えます。そして復活分がこの360万円に上乗せされることはなく、1年ごとの非課税枠の限度は毎年360万円。
つまり復活するのは実質、NISAの全体的な限度額である1,800万円が埋まったあと(つまり360万円×5で5年後)でした。
これを、売却後すぐにでも再利用できるようにしようというものです。
より活発的に投資を行うことが可能となります。
NISAの年齢制限撤廃
18歳未満が対象外の「つみたて投資枠」について、年齢制限が撤廃される見込みです。
個人的に一番影響が大きいのはこれだと思います。
やっぱり多いのは毎月NISAを積立てている方。自分の枠を使い切っても、子どもに枠があればその分も投資が可能になります。
小さいうちからコツコツとやっておけば、大学などまとまったお金が必要になることろには相当な金額になっていることも期待できます。
注意点としてはこどものNISAへの投資は贈与税の対象となること。年間110万円を超えると贈与税が発生します。
毎月9万円なら×12ヶ月で108万円。なので、9万円に設定するのが良いのかなと思います。
終わりに
どれも良い改正だと思います。
「貯蓄から投資へ」の流れをさらに加速させたいんだろうなという感じです。