
こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。
国税庁では確定申告や税金の徴収、税務調査などを総合的なシステムを使い業務を行っています。
これをKSK(ケーエスケーとそのまま読みます)システム(国税総合管理システムKokuzei Sogo Kanrisisutemuの頭文字)と言います。
このKSKシステムですが、令和8年の夏に次世代のシステムに生まれ変わります。
その名もKSK2(安直なネーミング??)!
頭文字取るのが好きだよなぁ・・
国税は昔からそうなのか、何かのシステムを作ると頭文字を取るのが好きみたいです。
文書管理にIBKシステムというものを使っていました。
初めて聞いたときは「なんかカッコイイな!」と思っていたんですが、正式名称は「一元的な文書管理システム(Ichigentekina Bunsyo Kanrisisutemu)」でその頭文字を取っただけでした。
ちょっとズッコケました。
時代はデジタル。紙ベースの仕事なんて古い!
そんなKSK2ですが、国税の基幹システムが変わるとあって大幅な刷新が行われるようです。
デジタル化が著しい世の中において、まだまだ紙を扱うことが多い国税組織。
e-Taxにおいても、申告はデータで行っても添付書類は紙ベースのものを郵送、なんていう形が多いです(ただ、これはすぐには「データオンリー」にはならないとは思います。混乱が起きますからね)。
どんな仕事でも紙中心だった処理を、データ処理に一本化。業務効率の上昇を図るとしています。
縦割り組織を柔軟化!法人税担当者も個人の確定申告書を見られるように!
税務署はとかく縦割りの組織です。
税務署の職員は「背番号」とも揶揄される担当に分けられます。
法人担当、個人(譲渡、相続、贈与以外)担当、資産(譲渡、相続、贈与)担当、徴収担当。
基本的に一度その担当になると、退職まで同じです。
そして他部門の資料をデータベースで見ることができません。
例えば私は個人課税部門に配属されておりましたが、贈与税や相続税、法人税の申告書を見ることができませんでした(見ることができたのは個人の所得税、消費税の申告書のみ)。
これを納税者情報を統合データベースで一元管理し、横断的な情報確認が可能になります。
これで調査対象法人の社長の確定申告を法人部門の職員が簡単に見ることができるようになるわけです。
税務調査も高度化!出先からKSK2にアクセス可能!
現在のKSKシステムは、個人情報保護の観点からアクセスが厳しく制限されています。
庁舎内のPCからでしかデータを見ることができません。
しかしKSK2になればこの問題が解決するようで、調査先に持参したノートPCなどからKSK2にアクセスできるようになります。
これは調査官にとっては物凄く大きいです。
納税者が言ったその場で情報を確認できるようになるわけですからね。
嘘を言ってもすぐバレてしまいます。
納税者の利便性も向上する・・らしい
すべての申告書がAI-OCR対応に刷新されます。いつもの確定申告書の様式も変わるかもしれません。
現在のOCR入力はまだまだ精度に難があり、罫線を数字として読み取ったり、ということが多く職員の負担はかなり大きいものです。
AI-OCR対応となることで入力の効率もアップするでしょう。添付書類も全てデータ管理になるようです。
また、税務署からの通知には13桁の「お問い合わせ番号」が付され、問い合わせがしやすくなるとのこと。これはどうだろう。今も色々工夫はしているんですが、結局あまり変わらない気もします。
さらには、e-Taxで受領できる通知が増えるようです。
まとめ
ということで納税者側にとっても書式の変更など色々な影響がありそうなKSK2。
リリースは令和8年9月24日の予定だそうです。
特に調査に関しては力を入れていますから、KSK2の導入で不正も発見しやすくなるはずです。
適正な申告を心がけましょう。
【編集後記】
実は「KSK2」というネーミングは職員の人気投票で決まりました。ほとんど覚えていませんが他の候補は「JISEDAI」とかそんな感じだったと思います。
ちなみに私は「KSK2」に一票入れた安直な人間の一人です。