
こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。
PCさえあれば外出先でも旅行先でも仕事ができるのが個人事業主のいいところ。
ノートパソコンやタブレットなど、持ち運びに便利なツールも増えました。
漫画家さんは「旅行先などいつもと違う環境だといいアイデアも浮かぶ」
そんなこともあるかもしれません。
そこで気になるのは「交通費や宿泊費などの支払が経費になるかどうか」ということ。これについてまとめてみようと思います。
”仕事のため”という理由はマスト
経費として認められるかどうかの大前提は、
「その出費が仕事のために必要だったかどうか」です。
旅行に行くにも、「仕事でなく家族旅行」「夕飯まで少し時間があったから作業した」こうした理由で宿泊費や新幹線代を経費にしてはいけません。
他にも「ホテルで家族が寝たあと、担当編集とオンライン打ち合わせをした」だったり、旅行に行かなくてもできることを理由にしてはいけません。
・漫画の参考にするためそこでしかやっていない催物に行った
・漫画を描くための資料に必要なので取材に行った
・遠方でのサイン会に行った
こうした理由であれば交通費、宿泊費は経費とすることが可能です。
難しいのがプライベートと仕事を兼ねている場合。
100%経費とすることは難しいでしょう。
ご自身で仕事の割合を判断し、按分する必要があります。
日程表など証拠を残しましょう
税務調査の際、調査官は取材がレジャーを伴うものでなかったか、ということは必ず疑います。
「これは仕事のためだった」という証拠を残しましょう。
例えば日程表、催物のチケットの半券、現地での取材記録や撮影した写真、仕事に関係した領収書など。
「なぜそこへ行ったのか」「そこでなにを行ったのか」を残し、税務調査があったときはしっかり説明しましょう。
我が家の場合の実例
旅行のついでに・・
昨夏、京都に家族旅行に行きました。
京都に「京都国際マンガミュージアム」という漫画博物館があり、妻は自身の漫画に活かすため、私と子どもは涼を求めるため「行ってみようぜ」となりGO。
これは妻にとって仕事といえば仕事ですが、旅費宿泊費は経費にできるのか?というとできませんよね。
あくまでメインは家族旅行。そのついでです。
ただ入場料とホテルからミュージアムまでの電車賃だけは経費性があると判断し、取材費としました(もちろん妻分だけです)。
サイン会
今年の3月、妻の漫画の単行本出版にあたり、大阪でサイン会が行われました。
これは観光を伴っておらず100%仕事です。
新幹線代、宿泊費、現地での打ち合わせに係る代金など、全て経費になります。
もっとも、一部出版社から補填される金額もあるので、それは差引くか全額を収入・経費双方に計上して相殺するかという処理が必要になります。
当然といえば当然ですがプライベートな支出(私ら家族へのお土産代など)は経費にはなりません。
終わりに
仕事に関連する旅行は、仕事のための支出であれば経費とすることは可能です。
プライベートと兼ねているような場合はご自身で判断し按分するようにしてください。
大事なのは目的です。場所や日数ではありません。
できれば、日程表や写真等、証拠を残し、税務調査があった時の説明材料としましょう。
【編集後記】
旅行と仕事の両立、個人事業主ならではって感じがして良いですよね。
しっかり証拠を残し、経費にしましょう。