
こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。
そろそろ公的年金の源泉徴収票が届き始めるころですね。
税務署はそれを皮切りに混雑が始まり、確定申告本番、といった空気になってきます。
ということで、今回は公的年金を受給されている方の確定申告について解説します。
公的年金を受け取っている場合の申告は税務署?市役所?
もうだいぶ定着してきたと言えるでしょう。
「公的年金の収入金額が400万円以下、かつ、それ以外の所得が20万円以下なら確定申告は不要」という制度。
この要件に当てはまる方は、確定申告書を作ってみて、還付になれば税務署へ確定申告書を提出する、還付にならなければ提出しなくていい、ということになります。
ただし、確定申告の内容は市役所へ送られ、住民税の計算の基礎となります。
確定申告をしなくても、扶養親族等申告書に記載していない扶養家族を追加したり、生命保険料控除や医療費控除などを適用し住民税を安くするためには、市役所への申告が必要になるので注意してください。
確定申告がいらないのに申告してしまったら
確定申告不要の要件に当てはまり、納税になったのに申告書を出してしまった、税金も払ってしまった。
それでも諦める必要はありません。
意外と知られていない、「撤回」という制度があります。申告義務がないのに出してしまった確定申告書を「撤回」できます。
所得税基本通達121-2
(確定所得申告を要しない者から提出された確定申告書の撤回)
申告書に記載されたところによれば法第121条各項の規定に該当することとなる者から提出された申告書で第3期分の税額が記載されているものにつき、これらの者から当該申告書を撤回したい旨の書面による申出があったときは、その申出の日に当該申告書の撤回があったものとし、当該申告書に係る既納の第3期分の税額を還付する。
撤回書の様式は決まっていません。任意の様式に必要事項を記載し、申出書として提出すればOKです。
ただし、撤回すると市役所の住民税のデータに影響する可能性がありますので、事前に市役所に相談してください。
注意してください
外国年金があるときは申告が必要
外国年金がある場合は400万円規定の対象外となるので注意です。
確定申告が必要になります。
年金以外の所得20万円の注意事項
年金以外の所得が事業所得や不動産所得で、青色申告特別控除が絡むときは要注意です。
事業所得や不動産所得などの所得が20万円以下であることを判断する際は、確定申告書への記載や明細書などを添付することで受けられる特例等は、全て適用しないで計算して判定することとされています。(所基通121-6、措法25の2(1)(5))
そして65万円(又は55万円)の青色申告特別控除を適用するためには、確定申告書への記載が要件とされています。
つまり、65万円(又は55万円)控除を適用することによって20万円以下となる場合は、確定申告書の提出が必要、ということになります。
これに対し10万円の青色申告特別控除はその要件がありませんので、10万円を控除して20万円以下、という判定なら確定申告書の提出は不要となります。
定額減税に注意!
今回の申告に限り、定額減税があります。確定申告をする際は、定額減税の記入漏れに注意してください。
また、公的年金と給与、両方を受け取られている方で、それぞれから定額減税を受けている場合は、重複して減税を受けている状態になっています。
そのことのみをもって、確定申告をする必要はないとされています。
ただ、給与と年金、それぞれから減税を受けているため、申告をする場合は、「いつもは還付なのに今年は納付になった!」というケースが出てくると思います。そのせいで税務署の相談窓口等でトラブルが発生しそう・・。
定額減税、本当に厄介な制度です(一律給付にすれば良かったのに)。
まとめ
税務署は大変混雑します。確定申告をしないで良い、住民税用の申告であれば、市役所で税務署程は待たず、いつでも受け付けてくれるはずです(私が市役所に勤務していた時はそうでした)。
400万円以下で申告不要、というのは、税務署にとっても納税者にとっても良い制度だと思います。
【編集後記】
キャベツが高いです(泣)。米も高いです(泣)。
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