こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。

先日、確定申告電話相談センターに従事した際にRSUについての質問を受けました。

せっかくなのでブログでもRSUの確定申告について紹介しようと思います。

RSUとは

RSUとはリストリクテッド・ストック・ユニットRestricted Stock Unitの頭文字を取ったもので、譲渡制限付株式とも呼ばれます。

主に外資系の企業で導入されており、無償で付与され、その後一定期間が過ぎると、外国親会社の株式と等価で交換される譲渡不能のユニットです。

ユニットとは将来的に株式を得る権利のようなものです。

ユニットが株式に変わると無償で株式を得ることができるため、確実に利益を得ることができます。

なお、ユニットは株式ではないので、議決権はありません。また、配当請求権もありませんが、株式に変わるまで配当相当額の現金やユニットを受け取る場合があります。

RSUの課税関係

RSUは以下の3段階の取引に区分されます。

①RSU権利付与(Grant)

②勤務期間等、一定の要件を満たすことでRSUの制限が解除され株式を無償取得(Vest)

③RSU制度により取得した株式を売却する(Sell)

このうち確定申告が必要なのは②と③になります。

②で得た経済的利益を給与所得として、③で得た譲渡益を株式譲渡所得として申告する必要があります。

なお、ユニットが株式に変わるまでに受け取った配当相当額の現金やユニットも申告が必要です。

RSUの計算方法

①RSUの権利が200ユニット付与された。一定期間後、2年かけて1年ごとに100株ずつに転換される(Grant)→権利行使していないため、課税関係は生じません。

②一定期間が経過したので、100ユニットが株式に変わり100株を得た。取得日の株価は200ドル、レート(TTM)は1ドル150円である(Vest)→経済的利益を給与所得として申告する必要があります。

円換算ではTTMというレートを使います。
200ドル×100株×150円=3,000,000円が給与所得として課税されます。

③更に1年経過したので、100ユニットが株式に変わり100株を得た。取得日の株価は180ドル、レート(TTM)は1ドル150円である(Vest)→経済的利益を給与所得として申告する必要があります。

180ドル×100株×150円=2,700,000円が給与所得として課税されます。

④②・③で得た株式のうち100株を譲渡した。譲渡日の株価は240ドル、レートはTTB150ドル、TTS140ドルである。→譲渡益が株式譲渡所得として課税されます。

株式の取得価額は総平均法に準ずる方法により計算します。円換算は、収入金額はTTB、取得価格はTTSというレートを使います。
(240ドル×100株×150円)ー(※190ドル×100株×140円)=940,000円が株式譲渡所得として課税されます。

※株式の取得価格は(200ドル×100株+180ドル×100株)÷200株=@190ドルで計算します。

まとめ

RSUは株式に変わったときに給与所得として課税されます。年末調整された給与に加えて申告する必要があります。

インセンティブ報酬の申告漏れは意外と税務当局から目を付けられやすく、しばしば調査の対象になります。

申告漏れに要注意です。

【編集後記】
私も何度か調査したことがあります。「何で調査するんだ!」とメタメタに罵倒されたこともありました・・。申告してないからなんですが。