こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。
妻が今週末の「コミティア」というイベントに出ます。
そこで自主制作の漫画誌やグッズの販売を行うんですが、「友達や出版社の担当さんに物をあげたら売上とかどうなるの?」と質問を受けました。
せっかくなのでブログでまとめてみます。
自分用や知人にあげた分は「自家消費」として売上に計上
自家消費とは
漫画家さんに限らず、商品を自分での使用や消費、知人にあげたりかなり安い金額で特別に売ったりした場合は、「自家消費」(家事消費)として売上に計上する必要があります。
例えば食料品を扱うお店の方が家族で食べたりした場合もこのケースに当てはまりますね。
自家消費に該当するのは「モノ」だけで、「サービス」は対象外です。
美容師が子どもの髪を切った、などはサービスの提供なので、自家消費として売上に計上する必要はありません。
売上に計上する金額
売上に計上する金額は、原則として販売価額(時価)になりますが、次のようにすることも認められており、その金額は所得税と消費税で異なります。
所得税
つぎのいずれか高い方の金額を売上に計上する必要があります。
- 通常の販売価額(時価)の70%
- 資産の取得価額(仕入の金額)
例えば、取得価額600円、販売価額1,000円の同人雑誌を知人にあげた場合、
1,000円×70%=700円>600円
となるので、売上に計上する金額は700円となります。
同じ商品を500円で売った場合では、700円との差額の200円を自家消費として売上に計上します。
消費税
つぎのいずれか高い方の金額を課税売上に計上する必要があります。
- 通常の販売価額(時価)の50%
- 資産の取得価額(仕入の金額)
所得税が70%であるのに対し、消費税は50%です。
先ほどの例では、1,000円×50%=500円<600円
となるので、600円を課税売上として計上します。
「自家消費」にならない場合
商品サンプルをあげた場合
商品サンプルは、自分の商品を売ってもらうために贈呈するものであるため、売上に計上する必要はありません。販売促進費や広告宣伝費として費用計上します。
取引先にあげた場合
取引先とのお付き合いから贈呈した分についても、売上に計上する必要はありません。接待交際費として費用計上します。
私の妻の場合、自身の作品の自主制作誌を担当編集者さんにあげる場合などが該当します。
友人にあげた場合でも、友人が取引先で贈答品としてあげた場合は接待交際費となります。
まとめ
ちょっとくらい、と日常のふとした時に自家消費したような場合でも、売上に計上する必要があります。
税務調査で問われる場合もありますので、しっかり計算するよう注意してください。