こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。

青色事業専従者は副業をやっても良いのか?

副業をやったらどうなるのか?

ポイントをお伝えします。

そもそも事業専従者とは

青色申告の個人事業主なら、生計を一にする配偶者や子どもなどでその年の12月31日現在で年齢が15歳以上の場合、税務署に一定の期限までに届出を行っていれば、その家族へ支払う給与は経費とすることができます(ただし、仕事の内容から不相当に高額の場合は認められません)。

一方で白色申告では、配偶者の場合は86万円、その他の家族の場合は50万円の定額の控除を受けられるようになります(控除前の事業所得等の金額を専従者の数に1を足した数で割った金額が限度)。

専従者が副業することはできるの?

さて本題です。事業専従者が副業をすることはできるのでしょうか。

専従者給与を受けるための要件としては上記の通り、

  • 生計を一にする親族
  • 支払った年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること

に加え、

・その年を通じて6か月を超える期間又は従事することができる期間の2分の1を超える期間青色申告者の営む事業に専ら従事していること

という要件があります。

この「専ら従事」というのがクセモノで、いったいどのくらいならOK・NGなのかがはっきりわかりません。

所得税法施行令165条2項に専ら従事していない場合の例として以下の明示があります。

「他に職業を有する者(その職業に従事する時間が短い者その他当該事業に専ら従事することが妨げられないと認められる者を除く。)」

他に職を有していたらアウトなんですが、その他の職への従事時間が短いならOK、と括弧書きがあります。

じゃあ短い時間てどのくらいだよ・・。
ハッキリ示して欲しいですよね。

一応、「その年を通じて6か月を超える期間」「従事することができる期間の2分の1を超える期間」ということが謳われているので、少なくとも半分を超えるとアウトになると思われます。

結局のところ判断されるのは税務調査においてになるので、その際調査官が否認しづらくなるよう、就業時間を定めあくまで本業の時間外に副業で行っていること・業務日報等を作成し従事時間をハッキリさせておくこと等の対応をしておくのがベターでしょう。

まとめ

この論点では何度も裁判が行われており、副業への従事時間が長かったり、副業から得る収入の方が大きかったり等で専従者給与が否認されています。

一方で専従者給与が認められた判例では、証拠資料として青色事業での勤務実態のわかる資料を多数提出し、かつ、他の職業における勤務時間が僅少であることも示しています。

専従者給与は本来経費として認められないものを「一定の要件を満たすのであれば特別に経費とします」という性格のものです。

副業をする場合は慎重な検討と注意が必要になります。

【編集後記】
税務調査で否認されると加算税や延滞税などが嵩みます。注意してください。