こんにちは！千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。
確定申告の期間は例年2/16～3/15の１ヶ月となっています。
3/15までに提出すればいつでも「期限内申告」という扱いになり、税務上の問題にはなりません。
ギリギリまで確認して、できるだけ間違いがないように出そう、という方もいらっしゃると思います。それも正しいと思います。
しかし私は「できるのであれば早めの提出」を推奨します。
早めに提出するメリットは多い
心理的負担からの解放
もちろん人によりますが、「確定申告しなきゃ」という心理的負担は大きいのではないでしょうか。
出せるのであれば早めに提出して、ストレスから解放されましょう。
そして本業に集中していただくのが良いのではないかと思います。
還付金が戻ってくるのが早い
確定申告期間は2/16～3/15となっていますが、年明けから提出できます。
税務署が開くのは土日が絡まなければ1/4で、その日から提出を受け付けています。
e-Taxなら提出後３週間、紙の申告書なら１ヶ月程度で、特段問題がなければ還付金が振り込まれます。
「早く還付金を振り込んで欲しい」という方には、早めに出せば出すほど還ってくるのも早く、大きなメリットになります。
間違いに気づいても直す期間が十分ある
１度提出した確定申告に間違いがあった場合は直さなければなりません。
確定申告期限である3/15までであれば、実は何度でも確定申告書を提出することが可能です。これを「訂正申告」と言います。
訂正申告は最後に提出したものが有効な申告となり、早めに提出すれば、誤りに気付いた場合であってもゆっくりと直すことができます。
3/16以降に直す場合は、修正申告書又は更正の請求書という、確定申告書とは別の書類を提出する必要があります。
修正申告による追加納付の場合には、延滞税などのペナルティが発生する可能性も生じてしまいます。
e-Taxトラブルへの対応
何年か前、申告期限ギリギリの3/14、3/15辺りに、申告が集中したせいかe-Taxがトラブルを起こしたことがありました。
さすがにこれは税務署内部にいながらも「何なの」と唖然としました。
「e-Taxしろ、スマホで申告しろ」と散々謳ってるくせにトラブルって・・・。
この時は「トラブルがあったと申し出れば期限を延ばす」とする対応をしました。
トラブルは、期限間近に起こりがちです。そしてトラブルが起こると焦ります。早めに準備すれば、こうした事態にも余裕を持って対応できます。
税務署が期限内に訂正を指示してくれる可能性が高まる
一番のメリットはこれだと思います。
年明けから確定申告書の提出ができますが、１月中は提出件数は多くありません。つまり、税務署の職員にも余裕があります。
申告に誤りがあると、必要に応じて職員が文書や電話で連絡し、直してもらうよう伝えます。余裕があれば納税者への連絡もすぐにできます。
例えば青色申告特別控除65万円を適用するためには、期限内申告は必須です。最初に提出した申告書の特別控除が10万円でも、訂正申告で65万円に直すことは可能ですが、修正申告や更正の請求で直すことはできません。
他にも、申告方法が選択制で、選択により有利不利が生じるものがありますが、3/16を過ぎると選択替えが出来なくなります。
こうした「期限が決まっている訂正」は、提出時期が早ければ早いほど、税務署が間に合う時期に指摘してくれる可能性が高まります。
正直なところ、２月３月は膨大な提出件数があり、それをするのは不可能です。提出件数に対して、職員の数が足りません。
デメリットは？
慌てて仕上げて間違える可能性
早く出すことにとらわれ、慌てて仕上げたため間違ってしまう可能性。
間違っても申告期限内であれば訂正が可能なのですが、誤りに気付かずそのままだと、後々税務調査などで指摘され加算税・延滞税などのペナルティが発生する可能性があります。
還付金が振り込まれた後の訂正申告
還付申告を提出し、還付金が振り込まれた後に誤りに気付き、訂正申告した場合。
還付金が減るケースでは、一旦振り込まれているため還付を返す（つまり納付する）必要が生じます。
このケースでは、基本的には訂正申告を出した後自分で納付する必要があります。
とはいえ手元には納付書も何もありません。税務署へどうしたらいいか相談しましょう。
このように、早く出したがため手間が生じてしまう可能性があります。
まとめ
確定申告書を早めに提出した場合のメリット、デメリットについてまとめました。
私はメリットの方が大きいと思います。
税務署に勤務していた時の経験では、やはり早めに提出した方には早めに連絡することが出来ていました。申告期間内でないと直せないこともあります。
確定申告は、還付申告だけでなく納税申告であっても年明けであれば提出することができます。
所得税法基本通達120-2
その年分の確定申告書（法第122条第1項《還付等を受けるための申告》に規定する申告書を除く。）がその年の翌年2月15日以前に提出された場合には、当該申告書は通則法第17条第2項《期限内申告》に規定する期限内申告書に該当するものとする。
提出できるのであれば、早めの提出も検討してみてください。
【編集後記】
大相撲九州場所で大関の琴櫻関が優勝。千葉県出身の力士としては33年ぶりだそうです。おめでとうございます。
初場所は綱とり。頑張ってもらいたいです。
