
こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。
個人住民税はその年の1月1日にお住いの市町村でその年度分が課税されます。
年の途中で引越しても、その年1年分は引越前の自治体に納めることとなります。
「お住いの」というのは原則としては住民票がある自治体になりますが、住民票とは別の場所に住んでいる場合は、その住んでいる市町村となります。
地方税法294条3項
地方税法という法律があります。その294条3項に以下の規定があります。
地方税法294条3項
市町村は、当該市町村の住民基本台帳に記録されていない個人が当該市町村内に住所を有する者である場合には、その者を当該住民基本台帳に記録されている者とみなして、その者に市町村民税を課することができる。この場合において、市町村長は、その者が他の市町村の住民基本台帳に記録されていることを知つたときは、その旨を当該他の市町村の長に通知しなければならない。
住民票のない人が住んでいる場合は住んでいる所で課税します、市町村長はその人が住んでいることを知ったら、住民票のある市町村に通知します、という規定です。
この通知を条文番号から「294-3通知」なんて呼んだりしていました。
事情に寄り添ったものだけどトラブルが多い
DVなど止むにやまれず住民票を動かせない方などには、この規定は大きいです。それぞれの方のご事情に寄り添ったものであると言えますが、トラブルも多いです。
多くの方の住民税は「会社からの給与支払報告書」「ご自身が提出する確定申告書又は住民税の申告書」を基に課税されます。
これらの書類は、これらに記載されている住所地に集約され住民税が計算されることになるんですが、「申告書はA市・給与支払報告書はB市」なんてことが多発します。会社に提出する書類の住所を住民票に記載されている住所にして提出することが原因です。
本人が忘れているのか何なのかわかりませんが、二つの自治体から課税されて文句を言われるのは自治体の職員です。
その上、住民税の課税データは健康保険や介護保険の計算にも使います。更なるトラブルになりがちです。
特別な事情がある方は特にこの点気を付けてください。
終わりに
トラブルを防ぐため、特に事情がなければ住民票はちゃんと移しましょう。何だかんだ一番多かったのは「特に理由もなく」住民票をそのままにしているパターンでした。
事情がある方は市町村に相談してください。役所はその辺りのことは特に気を遣って守らなくてはならないので、親身になって相談に応じてくれるはずです。