
こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。
私の古巣である東京国税局で職員の不祥事が多発しています。
50代の上席国税調査官が無許可でイベントスタッフやエキストラ…適正に税務申告せず懲戒免職(読売新聞オンライン)
税務署職員が430万円着服 懲戒免、業務上横領容疑で逮捕も―東京国税局
(時事ドットコムニュース)
部下にパワハラ、男性主査を減給 椅子蹴り「辞めちまえ」―東京国税局
(時事ドットコムニュース)
電車内で寝ていた客のリュックを盗む 国税職員を停職
(朝日新聞ニュース)
一体どうなっているんでしょうか。
不祥事があると・・
職員の不祥事があると、まず上司から係員に一報が入ります。
「○○により東京国税局の職員を逮捕、××の処分が下った」など、事案の概要が伝えられ、決まって「外部から問い合わせがあった場合は局の広報課が対応しているのでそちらに連絡するよう伝えるように」「個人的な見解を述べないように」「”大変遺憾に思っています”と伝えるように」など、回答マニュアルが回覧されます。
この手のニュースで地元の税務署にクレームの電話を入れるのは止めてあげてください。職員は何も知りませんし答えようがありません。
今回のように不祥事が続くと、局全体のどんよりとした空気が伝えられ、緊急で「予防講話」なる署長や副署長など偉い人の講話が組まれます。
が、こんな講話をしたところで時間のムダです。やる奴はやるしやらない奴はやりません。
現にこうやって不祥事は後を絶たない訳ですからね。
もっと罰則を重くしろ、と思います。それでも効果は限定的だと思いますが。
国税的に一番重いのは脱税か
こうして不祥事を並べて見ると処分の重さで興味深いことがわかります。
電車で寝ていた人のリュックを盗んだ職員に下されたのは停職。えぇ??犯罪だよね。停職で済ますのか・・という感じです。一発アウトの内容だと思うんですけど。この職員はその後、依願退職しています。
対して無許可でイベントスタッフやエキストラをした職員は一発で懲戒免職です。
記事には「無許可でイベントスタッフやエキストラとして従事し、計約222万円の収入を得たが、一部を適正に税務申告していなかった。重加算税の対象となる悪質な所得隠しも指摘され、所得税計約33万円を追徴課税された。また、納税者情報を含む行政文書101件を持ち出したほか、勤務中に株取引を計77回行うなどしていた。」とあります。
まぁ色々酷いですが、一番問題なのは「重加算税の対象となる悪質な所得隠しをしていた」でしょう。要するに脱税です。これがなければ懲戒免職は免れたんじゃないかな、と思います。
依願退職なら退職金が支給されますが、懲戒免職ならゼロ。その差は歴然。まして50代上席調査官ならそれなりの年数を重ね、それなりの給料をもらっていたはずなので、結構な金額がパァになったということになります。
税務職員としては罪の重さは【脱税】>【窃盗】。
脱税は許されない悪質な行為であることがわかりますね。
終わりに
こういう不祥事が起きると、一番にクレームを受けるのは現場の職員です。正直、勘弁して欲しい、と思っていました。
毎回毎回、局の偉い人から「職員の非行については申し訳なく思っている。厳粛に受け止め、適正に処分する」と判を押したようなコメントが出されます。
本気でどうにかしようとしているならもっと対応を考えて欲しいものです。予防講話では何の予防もできません。