こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。

国税局では7月が年度の切替えです。

7月10日に定期人事異動が行われ、それが終わると本格的に新しいシーズンがスタートします。

年明け、確定申告からこれまで落ち着いていた税務調査も活発に行われるようになります。

税務調査を行います、という通知

税務調査を行う時は、原則としては事前に通知があります。

「○○さんの令和4,5,6年の所得税・消費税について税務調査を行うことになりました」というもの。

ほとんどは電話連絡です。

この連絡が来たら、病気などの理由を除き調査を断ることはできません(病気であっても「延期にします」と言ってくることもあります)。

調査をどう乗り切るか、ということに主眼を置きましょう。

何で拒否できないの?

査察(いわゆるマルサ)が行う「強制調査」に対し、税務署が行う調査は「任意調査」と呼ばれます。

税務署にいたとき、「任意だから断れるでしょ、絶対に受けないから」とよくクレーム?を受けました。

しかし「国税通則法」という法律で、
・調査官は相手への質問や帳簿書類の検査等ができる
・調査官の質問に答えなかったり、偽りを述べた場合などは罰則がある
と規定されています。

つまり調査官の質問=調査は受ける義務がある、ということになります。

拒否したらどうなる?

それでも「絶対に受けない」と拒否し続けたらどうなるでしょう。

まず行うのは「反面調査」です。

取引先に、調査対象者にどれだけ払っているかを確認します。これで売上額を調べることができますね。

そして調べた売上額をもとに「推計課税」を行います。

これだけ売上があればこれだけの課税額だよね、というものを税務署が決めることができます。

また、推計課税は青色申告者に対してはできないので、青色申告の場合それが取消されます。

まだあります。消費税。調べた売上額をもとに諸費税も計算します。その際は、仕入税額控除といって売上の消費税から引くことのできる経費の消費税があるんですが、これを引いてもらえなくなります。

所得税の「推計課税」はある程度経費も見てもらえるんですが、消費税は簡易課税の場合を除き、考慮されることはありません。

調査を受けていればこんな額にはならなかったのに・・となっても後の祭りです。

終わりに

調査の連絡が来たら逃げ切ることはできません。

私が調査を行った事例でも、逃げ続ける対象者に対し、仕事の現場まで行く、と宣言し寸前までいったことがあります(最終的には調査に応じてくれました)。

調査に協力し、スムーズに進める。

結局はこれが一番損しないと思います。

【編集後記】
調査の前に一番大事なのは適正申告です。