こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。
源泉徴収票、きちんと受け取っていますか?
源泉徴収票は、勤め先から当たり前に、必ずもらえるものです。本来は。
しかし、何らかの理由で発行されないケースがあります。
そんなときは税務署へ届出をしてみましょう。
源泉徴収票の交付義務
給与の支払者には、源泉徴収票の交付義務があります。
・中途退職は退職後1ヶ月
・それ以外は翌年1月31日
所得税法という法律で規定されています。よって、交付を怠ると罰則があります。罰則があるんですけどね…。大体はうっかり忘れた、ということなんですが、出してくれないところがまぁまぁあるんですよね。
税務署へ届出をしてみましょう
勤め先に交付をお願いしてもダメ、というときは、税務署へ届出をしてみましょう。
(国税庁HP:源泉徴収票不交付の届出手続)
税務署が、源泉徴収票を出さない者に、「発行するように」と指導してくれます。
私も何件も担当しました。
なお、給与明細も同様に可能です。
(国税庁HP:給与支払明細書不交付の届出手続)
両方同時に提出できますし、どちらか一方でも大丈夫です。
給与明細のみ必要なケースは多くはないでしょうけど、あるにはあったかな。
届出に際しての注意点
届出の前に確認
以下の点について確認してください。場合によっては、届出を出しても税務署から断られることがあります。
・給与の源泉徴収票であること(報酬などの支払調書は対象外)
・再発行ではないこと
・勤務先に源泉徴収票の交付を求めていること
(国税庁HP:「源泉徴収票不交付の届出書」を提出される前に、ご確認ください。)
税務署の指導に強制力がない
意外に思われるかもしれませんが、税務署が行う「源泉徴収票出すように」という行政指導に、強制力はありません。
税務署が行うのは、あくまで「本来すべき手続きをきちんとするように」という指導で、届出をした人に代わって発行を請求することではないのです。
そのため、税務署に届出をしても、100%発行が保証されるわけではありません。
もちろん、税務署もやれるだけのことはやります。しかし、最後までどうしてもだめだった、ということもあります。
ただ、成功率はかなり高かったように思います。
印象で9割、といった感じだったような。
絶対に交付されるわけではない、ということは知っておいていただければと思います。
交付まで時間がかかることがある
給与の支払者に連絡し、発行の手続きを指導するため、時間がかかってしまいます。相手が連絡を無視したりすると、何か月もかかることも。
届出後の流れ
税務署(又は国税当局)の担当者から、届出書の内容確認のため、電話が来るはずです。
特に、相手方に氏名を通知して良いかについては、必ず聞かれます。
あとは、上記の注意事項についての説明があります。
その後は、経過については何かあれば連絡が来るという形です。
連絡がないと放置されていると感じるかもしれませんが、税務署では手続きを進めています。
ただ、あまりに連絡がなければ、逆に連絡して状況を聞いてもいいかもしれません。
最終的に、交付さることになったのか、ダメだったのか、ということが決まった段階では、必ず連絡が来ます。
まとめ
源泉徴収票が交付されない方は、税務署へ届出という方法があります。発行される可能性は高いと思いますので、利用を検討してみては。
個人的な思いとしては、この制度を利用する方、勤務先とこじれているケースがままありますが、どうか、勤務先への怒りを職員に向けないようにしていただければなぁと思います(辛かったのがありました…)。
税務署の職員、がんばるはずですので。
【編集後記】
9/2に税理士証票の伝達式があります。
台風の影響で延期になるかも、と税理士会から連絡が。
さてどうなるか。