こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。
税金のことがわからない、そんなときはどこに相談しますか?
パッと思い浮かぶのは税務署、税理士、あとは市役所くらい?
このうち税務署への相談は良い点もあれば悪い点もあります。
税務署の職員であった立場から、税務署へ相談することが得なのか損なのかについて述べてみようと思います。
良い点
無料相談
何と言っても税務署へ相談することの良い所は無料であることです。
相談は何を聞いても無料です。行政機関ですからね。相談料を取られることはありません。
税理士への相談は、一定時間(初回30分など)の無料枠を設けていることもありますが、大抵の場合有料です。
無料で相談できるというのは、とても良い所だと思います。
組織として回答してくれる
「税務署」という看板を背負っている以上、回答は組織としてするものです。
たとえ新人で経験が浅い職員が対応したとしても、それは納税者には関係のないこと。答えは「税務署」という組織が出したものになるため、わからない・不明な点があるときは、一旦保留として検討した上で回答することがほとんどです。
複数人で検討して答えてくれる、答えることができる、というのは組織の良い所ですね。独りになってよくわかります。
電話ならいつでも聞ける
確定申告の時期に限らず、平日の税務署がやっている時間にはなりますが、電話をすればいつでも相談できます(確定申告期などは電話が繋がりにくいこともあります)。
なお、税務署へ行って直接職員と相談したい、ということなら、個別予約が必要になります。
ちょっとしたことなら電話で相談してみるといいですね。ただ電話なので、お互いうまく話が伝わらないことがあります(実際よくありました。電話相談の回答は難しいです)。
悪い点
節税の提案はしてくれない
税務署へ相談しても、節税の提案はしてくれません。
これは税務署への相談の最大のデメリットですね。
ただ誤解しないでいただきたいのは、例えば2種類のやり方があるとして、あえて税金が高くなる方だけを説明する、といったあくどいことはしません。そんなことをして納税者が事実を知ったとき、とんでもないクレームになるからです。
この場合は、2種類とも説明し、本人に選ばせる、という形を取るのがほとんどです。税務署の職員が選ばせることは絶対にしません。
提案をしないというのは、Aという方法で申告していて、Bという方法の方が得になるときに、「Bでやった方が得ですよとは伝えない」ということです。
損をさせたいから、というわけではありません。損をしようが得をしようが、税務職員の評価や給与には何の影響もないので、その点には興味はないのです。
確定申告は自主申告制で、納税者本人の判断と責任で行う、という仕組みです。「本人の判断で行ったことに口を挟むべきではない」というのが理由です。
まぁ一応そういうことになっています。
回答が100%正しいとは限らない
「税務署が言うんだから間違いない。回答は絶対正しいしそのとおりやれば大丈夫」と思いますよね。
でもそうではないんです。残念ながら。
もちろん、間違えようと思って間違える職員はいませんが、そこは人間のやることです。どうしても100%絶対に間違えない、ということはできません。
「電話で〇〇さんに言われた」と主張しても、誤った申告で良い理由になりません(謝罪はされると思いますが)。修正による追徴は免れないでしょう。
ただ、この場合「誤指導」ということになるので、本税は仕方ないにしても罰金に当たる「加算税」や「延滞税」は免除されることはあります。
「税務署が間違ってたから当然でしょ」と思うかもしれませんが、意外とハードルが高く、ハッキリと誤指導であったことがわからないと、中々免除してくれません。
相談の際は「いつ(日時)」「どこで(電話なのか、対面なのか)」「誰が(職員の名前)」「どう言ったのか(相談への回答)」といった内容を記録しておくことをおススメします。
まとめ
税務署への相談の良い所と悪い所をまとめてみました。
これから年末年始、確定申告のシーズンが始まります。上手く税務署を利用していただければ良いなと思います。
【編集後記】
初めて火鍋を食べました。辛くて美味しかったです。