こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。

個人事業主やフリーランス(稀にサラリーマンや公務員も)をしていると「税務調査」というものを受けることがあります。税務署に提出した確定申告書の内容を、税務署の職員(調査官)が、原始記録と呼ばれる申告書の基になった帳簿、請求書、領収書などをチェックするものです。

調査官の思い・是認になったらどうしよう

調査をして内容に誤りがあれば修正申告書の提出を求めます。修正申告書を出すということは9割方追徴があるということになります。
そして追徴税額に応じて、加算税というものを課税します。

調査官の評価は簡単に言うとこの追徴税額・加算税額が高ければ高いほど良いということになります。追徴税額が高いということは、当初申告から比べて漏れていた所得や税額の増差が大きいということです。

調査した結果修正の必要がないことを「是認」と言います。

そのため、上司(統括官、と言います)から「この調査に行ってこい」と資料を渡されると、反射的に「増差出るかな。是認になったらどうしよう」と思います。

調査官は是認が大嫌いです。是認だけは避けたいのです。

「調査したらきちんとしてました」でいいじゃん

「税務調査に行きました。内容を精査したところ、何の誤りもなく適正でした。今回は是認とします」でいいじゃん。

個人的にはそう思いますが、署内の評価はそれでは済みません。

特に統括官は、数多の調査対象者の中から実際に調査に行く納税者を選定します。つまり是認ということは自分の選定が悪かったってことになるので、簡単には許してくれません。

そりゃあ中には本当に問題ない人だっているでしょう。でも「お前の調査が甘いんだ!」ということ言葉の内外に込めて詰められるわけです。

また統括官だけでなく、調査官自身の成績にも影響します。成績が良し悪しはボーナス等に響きます。
私は成績を上げようとかあまり考えていなかったので、調査しました・是認でしたでいいじゃないか、とずっと思ってましたが、やっぱり避けたいと思うのが普通の調査官の思いです。

都市伝説・「おみやげ」はあるのか

調査も終わりに差し掛かり全く問題がなさそうであっても諦めません。

最後は税額に影響がなさそうな部分もつつき、追徴が出ない修正(0修正、と呼んでいました)を出してもらうこともあります。これでも是認ではありませんからね。調査官が誤りを指摘すること自体は何の問題もないし。。

ちなみに、巷で噂される「おみやげ」というものに出会ったことはありませんでした。

「おみやげ」とは、当たり障りのない誤りを言います。細かーいところまで探られないよう「おみやげ」を用意し、調査官にそこそこ満足してもらって帰ってもらう、というもの。

何じゃそりゃ、という感じです。職員同士の会話でも話題に上ることはありましたが、「そんなの実際はないよね」と言って終わり。

どうしてそんな話が生まれたのかはわかりませんが、昔はあったのかもしれませんね。

【編集後記】
調査が是認となると、調査対象者に「是認通知」というものを出します。
税理士によってはこれを額縁に入れて飾る人もいるとかいないとか。
調査官からしたら腹立たしいの一言で、こんなところにも「是認が大嫌い」の一因があるのかもしれませんね。