こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。

先日のブログで、申告者本人が住んでいない場合でも住宅ローン控除を受けられるケースを紹介しました。

単身赴任など、基本的に家族が住んでいることが前提のものでしたが、家族と一緒に転居した場合についても特例がありますので解説します。

居住した年に家族と一緒に転居した場合

概要

Q.
本年6月1日に家屋を取得し、直ちに居住しましたが、10月1日に勤務先から転勤命令を受け、家族と一緒に転居しました。
転勤期間は2年間を予定しています。2年後にその家屋に再居住した場合には、住宅ローン控除の適用を受けることはできますか。

A.
転勤などやむを得ない事情で居住しなくなった後、その事由が解消し、再びその家屋に居住した場合には、一定の要件の下で、再び居住した日の属する年以後の各適用年において住宅借入金等特別控除の適用を受けることができます。

ただし、再居住した年に家屋を貸付けていた場合には翌年からの適用となります。

手続き

【転勤等で転居した年】
不要

【再居住した年】
1年目に提出すべき書類に加え、次の書類を添付して確定申告書を提出します。
①転勤等の事情が生ずるまで居住していたことを証する書類
②住宅ローン控除の計算明細書
③転勤等の事情により居住しなくなったことを証する書類(辞令など)

居住年の翌年以降に家族と一緒に転居した場合

概要

Q.
昨年まで住宅ローン控除の適用を受けていましたが、本年4月に勤務先から転勤命令があり、家族と共に転居することになりました。
転勤は2年間の予定です。再びその家屋に居住した場合には、住宅ローン控除の再適用はできますか。

A.
既に住宅ローン控除を受けている場合でも、転勤などやむを得ない事情で居住しなくなった後、その事由が解消し、再びその家屋に居住した場合には、一定の要件の下で、再び居住した日の属する年以後の各適用年において住宅借入金等特別控除の適用を受けることができます。

ただし、再居住した年に家屋を貸付けていた場合には翌年からの適用となります。

手続き

【転勤等で転居した年】
居住しなくなる日までに次の書類を税務署に提出します。
「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」(併せて辞令などの提出を求められることもあります)
②未使用分の「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」及び「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」

【再居住した年】
次の書類を添付して確定申告書を提出します。
①住宅ローン控除の計算明細書
②住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書

「転居した年に書類を提出し忘れた!もう再適用はできないのか・・」と諦める必要はありません。提出がなかった場合であっても、税務署長が、その提出がなかったことについてやむを得ない事情があると認めるときは、後から届出書等の提出があれば、住宅ローン控除の再適用を受けることができることとされています。

やむを得ない事情、というのは今回に限らず色々な場面に出てくるんですが、厳格に確認されることは稀です。実際私も住宅ローン控除の事務を担当していた時は、柔軟に対応していました。

まずは税務署に相談しましょう。

【編集後記】
手続きの有無や書類に気をつけ、再適用を受けてください。