
こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。
特に個人事業主の場合、赤字が膨らんだなどの理由で確定申告をしても納付も還付もない、所得税が0円のとなることがあります。
この場合であっても、確定申告書を提出した方が良いケースがあります。
所得税が0円になるケース
所得税の計算の流れは次のとおり。
①(収入-必要経費-所得控除)×所得税率で税額を計算
② ①で求めた額から配当控除や住宅ローン控除などの税額控除を差引く
③ ②の額から源泉徴収税額・予定納税額を差引き、納税額・還付額を算出
①や②で計算した金額が赤字となってもマイナスとはせず、0円になります。
③の源泉徴収税額や予定納税額を差引いて赤字となる場合、その金額が還付されます。
つまり、①②で0円となり、③が無い場合は納税や還付もない0円の申告となります。
所得税が0円でも確定申告をするメリット
納税も還付もない、所得税が0円でも確定申告をするメリットはあります。
青色申告の場合
青色申告の方は、翌年以降3年間に渡り赤字の繰越控除が認められています。
例えば令和7年分の事業所得が赤字であれば、令和8年から令和10年にかけ、それぞれの年の黒字と相殺し税負担を軽減することができます。
これは非常に大きなメリットです。必ず確定申告をして繰越控除を受けるようにしてください。
なお、事業所得の他に給与所得などがある場合、繰越控除ができるのは先にそれらと損益通算をしてなお赤字が残る場合になります。
各種証明のためには申告が必要
確定申告書は税金計算のためだけに利用されているわけではありません。
その内容は市町村が所得証明書や非課税証明書を発行するときの基礎となります。
児童手当をもらう場合、保育料の決定を受けるために必要な場合など、所得証明書を必要とする場面は意外と多いです。
まして今は税務署に提出しても確定申告の控えがもらえなくなっていて、これまで控えで対応できた所もできなくなっています(e-Taxの受信通知での対応は可のところが多いです)。
国民健康保険などの計算に申告が必要
税金がかからなくても国民健康保険はかかります。
国民健康保険は所得の大小に関係なく課税される「均等割」や「世帯割」があるためです。
ですが所得が赤字など一定額以下の場合、これらは軽減されます。
この軽減を受けるためにはたとえ所得が0であったとしても無申告ではだめで、確定申告や住民税の申告が必要です。
また、所得はそれなりにあるものの「所得から差し引かれる所得控除」の金額が大きいために税金が生じないような場合も、国民健康保険の計算をすることができなくなってしまうことなどから結局役所から連絡が来て、所得状況を申告するように言われてしまうことがあります。
このような面倒な事態を回避するため、税金が出なくても確定申告をするのは有効です。
税務調査のリスクを下げる
申告をしない状態が続き税務署から何らかの疑念を抱かれると、税務調査に発展する可能性があります。
開業届や青色申告の申請書を提出しながら無申告である場合は、税務署から確認の連絡が来ることがあります。「開業してるのに申告書がないのはなぜ?」ということで、無申告による脱税を疑われる可能性もゼロではありません。
税務署からの連絡は嫌なものです。
「連絡が来た=税務調査」という訳ではないのですが、少しでも税務調査の可能性を下げるためには最初から連絡が来ない方が良いに決まっています。
終わりに
他にも、住宅ローン控除で所得税が0となった場合に住民税の適用を受けるために医療費控除をする等、納付も還付も無くても、確定申告をした方が良いケースがあります。
「税金がかからないし戻らないから申告はしなくていい」と判断される際は、今一度何か見落とし等がないかを確認していただければと思います。
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