
こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。
この経費、何費にしたらいいんだろう、と迷ったことはありませんか。
何費に計上するのか。つまり勘定科目をどうするのかというのは確かに大事ですが、こだわり過ぎるとハマります。
勘定科目を間違えたかも・・と心配になることもあるかもしれませんが、正しく税金の計算ができていれば追徴になることはありません。
勘定科目は何にお金を使ったかを把握するためのもの
勘定科目を正しくすればどの経費にお金をいくら使っているのかをすぐ把握することができます。
例えば通信費であれば電話、インターネット、切手や郵送料など。
消耗品費は文房具やPC周辺機器など。
電気代やガス代、水道代は水道光熱費。
科目を分けることで管理をしやすくなります。
勘定科目は自分なりのオリジナルのものを作成してもOK。収支内訳書や青色申告決算書には空欄があり、そこにご自身で決めた科目名を入力等して使うこともできます。
ただ、何でもかんでも新しい科目にし過ぎないようにした方が良いでしょう。
科目を増やし過ぎると逆に科目がわからなくなり、かえって帳簿付けが大変になります。
間違えても大枠が合っていれば問題ない
科目は大きく分けると収入・売上の部と経費の部に分かれます。
収入・売上については項目が少ないのでそんなに迷うことは無いと思います。
問題は経費です。
例えばガソリン代、消耗品費?旅費交通費?車両費?
消耗品費と事務用品費って分けるの?
こんな風に悩んだことがある方、結構いらっしゃるんじゃないでしょうか。
これらを取り違えてしまったとしても、必要経費全体の額としては影響はありません。
そのため、税金の計算にも影響がありません。
税金の計算に影響がないと、仮に税務調査があった場合でも「次はちゃんとしましょうね~」という指導があるだけで、罰金・罰則のようなものはありません。
罰金・罰則は追徴される税額がないと発生しないためです。
調査官は心の中で「何だ増差(誤りによる所得や税額の増額分のこと)出ないじゃん」と呟いているいるはずです。
科目を分けることは正確な状況把握のためにはもちろん大事なのですが、こだわり過ぎて経理が進まない、なんてことになっては面倒です。
収入と経費を逆さにしてしまった、ということなら大問題ですが、経費の中で項目をどうするか、についてはそこまで悩む必要はありません。
税務署的にはどうか
じゃあ勘定科目の誤りを税務署はどう見るのかな、という話です。
勘定科目が大きく偏っていたり、飛びぬけた金額のものがあると目に留まる可能性があります。
目を付けられる、というヤツですね。
目を付けられたら調査に入られる可能性が高まります。
調査に入られたら細かく、「この○○費はどうやって算出したか」ということを問い詰められることになります。
全体的な経費の額が正しければ上記のとおり、次は気を付けるよう指導されて終わりですが、それでも調査を受けるというのはストレスです。
私の調査官時代の経験からも、「これは適当にやっているな」という申告書はすぐわかります。そうなると調査の可能性が高まります。
こだわり悩み過ぎる必要はありませんが、勘定科目を適当に付けるのは止めた方が良いでしょう。
【編集後記】
税務署は「業種ごとの○○費(例えば交際費など)の平均値」という情報を持っています。
収支内訳書・青色申告決算書に記載した○○費が平均とかけ離れているような異常値を示すとアラートが出るようなシステムなので、調査に入られやすくなる、という流れです。