こんにちは!千葉のフリーランス・個人事業主専門の税理士、福地です。

こんな記事を見つけました。

庶民をいじめて楽しいですか?…年収550万円の49歳サラリーマン、まさかの「追徴課税160万円」に恨み節。税務署に狙われた“流行りの趣味”】(dmenuニュース)

サラリーマンへの税務調査があり、多額の追徴を受けたというお話です。

話の概要

サラリーマンであるA氏。年収は約550万円で、妻と子2人の4人家族。

5年前から新たな趣味として「ソロキャンプ」をスタート。

そのキャンプの様子をブログで公開。あれよあれよと人気が出て、年180万円ほどの広告収入とアフィリエイト収入を得ることができたそうです。

趣味が月15万円ものお金を生むとは何とも羨ましいですね。

ですがこの副収入を申告していなかったことが発覚。税務調査を受け、3年分で本税120万円に加算税・延滞税40万円の追徴を受けたとのこと。

追徴は痛いけど180万円×5年で900万円も稼いでいるんだから払うのは余裕でしょ、とお考えになるかもしれませんが、大抵こういう人は使ってしまって残っていません。これが税務調査の怖い所。今更言われてもお金残っていないんだけど、ということがよく起きます。

なぜ狙われたか

年180万円の稼ぎでも税務署に狙われるの?という疑問があるかもしれません。

なぜ狙われたかを税務署の視点で見ると

  • 調査が容易
    サラリーマンであれば本業の給与収入はごまかしようがないので、副業だけ調べればいいですが、ブログのアフィリエイト収入はまず間違いなく振込で支払われますので、証拠がバッチリ残ります。ある一つを狙い撃ちする場合、簡単な調査で手間も時間もかかりません。
  • 一斉呼出しで効率的に調査
    税務調査と聞くと「自宅や事務所へ調査官がチームでやってきて、ガサ入れをされて多額の追徴を喰らう」というようなイメージがあるかもしれません。
    しかし実際には税務署へ呼出して行う簡易的な調査があり、何人かを1日にまとめて呼出しを掛け、まとめて叩く、というやり方をすることもあります。この人のように1人約150万円の追徴としても、10人呼び出せば1,500万円です。効率がいいんですね。収入規模が小さくても調査の対象になることは十分あり得ます。
  • ネットでの事業は狙われやすいうえ無申告
    ここ数年、ネットビジネスが狙われやすくなっています。昔はなかった業種が出てくると、調査に狙われやすくなる傾向があります。
    おまけにこの人は無申告。無申告者への調査は「課税の公平性」の観点から、今も昔も重点項目として毎年挙げらます。

副業収入も甘く見ないこと

さて、この方は最後に「政治家は『忘れていました』で済むのに……あなたたちは庶民をいじめて楽しいですか?」と捨て台詞を吐いたそうです。

気持ちはわかります。政治家の所にも調査に行けよ!と思います。

ですが政治家がどーしたこーしたは自分が副業収入を申告しなくていい理由にはなりません。

「この位ならバレないだろう」「自分の所には調査は来ないだろう」と考えず、申告漏れがないように気を付けてください。

【編集後記】
呼出しの調査でも加算税・延滞税などはペナルティは通常の調査と同様に発生します。